1991年12月に行なわれた故ジョージ・ハリスンのジャパン・ツアーは、世界でも日本だけで実現し、しかも大親友ミュージシャン、エリック・クラプトンと彼のバンドに全面バックアップされてのものだったということで、二人の固い友情を証明したスーパーイベントとして、もはや日本の洋楽ロック史上の伝説となっています。オフィシャルでは、中間に据えられていたクラプトンのセットをカットし、12日~17日までの公演のベストテイクを選出する形でジョージ名義のライブ・アルバムがリリースされていますが、もちろん今日に至るまで、完全収録のオーディエンスソースからこのジャパン・ツアーの音源は多数リリースされてきました。その中で「名古屋」と言えば、当時まだ珍しかったDATによる録音を敢行し、まるでサウンドボードのような至近距離で楽音を捉えた「FOURTH NIGHT LIVE」、「4TH NIGHT REVISITED」が定番となっています。しかしこの大元となったDATマスターは、レコーダーが初期モデルだったためバッテリー容量が少なく、Devil's Radio以降がバッテリー切れでピッチが急激に低くなっていくというトラブルに見舞われていました。そのため、リリースされた既発盤では本編のDATマスターからかなり音質の劣る別日のオーディエンスソースを繋いで完全収録としていました。さらに既発盤2作はDATマスターからコピーされたカセットテープをマスターとして製作されていたため、カセットテープのヒスノイズが全編に渡って存在し、しかもピッチが半音の約40%高いという欠点を含んでいました。カセットにコピーしたマスターだったため、高音が潰れているという欠点も露呈していました。シンバルの残響が、シャーンという鈴のようなきれいな音ではなく、パシャパシャした音になっていたのです。今回、当店は大元のDATマスターの録音者からDATそのものを譲り受けました。それを検証してみたところ、ヒスなどまったくなく、ピッチも正常な上、さらに録音開始は既発盤の収録スタート時点から遡ること約6分間もプレショウのイントロ部分が存在していたのです。そこには開演直前のドラムの音に「びびった!」と発言する録音者近くのオーディエンスの声も入っていて微笑ましいものでした。本盤ではDATダイレクトの正常ピッチのマスターから製作し、バッテリー問題で影響の出てくるDevil's Radioの1:08以降には、どの既発盤の補填ソースをも上回る当店のDATマスターの最高音質盤、12月2日の大阪城ホール公演を収録した「DEFINITION OF LEGEND」(Tricone 089/090)を補填に使用しました。ただ補填したのではなく、大元の名古屋DATマスターの音質に近づくようリマスタリングを施しての補填となっています。大元の名古屋DATマスターはあまりにも楽音が近く、スネアの鮮明さを聴いてもこの質感とイコールにする事は出来ませんでしたが、どの既発盤よりも音質差の少ない繋がりになっています。さてここで、このジャパン・ツアーが伝説と化した意味合いを当時のツアー・スケジュールから見ていきましょう。 ・1991年1月21日~29日:アイルランド、ダブリンのザ・ポイントにてツアー・リハーサル・1991年1月31日、2月2日:ザ・ポイントでのウォームアップ公演・1991年2月5日~3月9日:ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホールで24日間連続公演・1991年9月4日:ロサンゼルス、ロキシーでのバディ・ガイのギグに飛入り。 ・1991年9月26日:ハリウッド、ザ・パレスで収録されたネイザン・イーストがハウスバンド・リーダーを務めるコメディショウに出演。この模様は29日の日曜にFOXチャンネルで放映された。・1991年12月1日~12月17日:ジョージ・ハリスンのジャパン・ツアーを自らのバンドと全面バックアップ 12月1日:横浜アリーナ公演(追加公演)12月2日、3日:大阪城ホール公演12月5日:名古屋国際見本市ホール公演←★本作★12月6日:広島サンプラザ公演12月9日:福岡国際会館公演12月10日、11日、12日:大阪城ホール公演 12月14日、15日、17日:東京ドーム公演 3月9日から9月までオフだったことがお分かりでしょう。クラプトンは、前年の「ジャーニーマン・ワールドツアー」と2年続いてこなしたハードなロイヤル・アルバート・ホール連続公演が終了すれば、完全休養に入り、4歳になった幼い息子コナー君との生活をエンジョイするつもりだったそうです。ところが、その矢先の3月20日、あの事件が起こってしまいました。そこからクラプトンは、ご本人の言葉を借りれば「石のように」なってしまいました。幼い息子を失ったショックから、誰とも接触せず、自宅に引き篭もる生活が続きました。キース・リチャーズ、エルトン・ジョンに混じり、ジョージ・ハリスンからもすぐにクラプトンを気遣い慰める手紙が届けられました。クラプトンは友人ミュージシャンたちからの温かい言葉に励まされ、アルコール中毒匿名の会のミーティングに参加しながら、マネージャーのクルーザーで海に出るなど、何とか精神を正常に保ち続けました。そんな折、ジョージに会った際、クラプトンは前年にツアーで回った南米でファンにジョージの近況ばかりを尋ねられたと伝えたのです。ステージ復帰してもいいんじゃないか?というクラプトンの言葉をジョージは一笑に付し、この話を忘れることにしたのですが、ある日、ジョージははたと気づきました。「もし僕がツアー復帰するから手伝ってくれと言えば、エリックはその実行作業に追われ、あの辛い出来事から立ち直ってくれるのではないか?」そしてジョージはその気がなかったにもかかわらず、クラプトンにライブ復帰を伝え、協力を要請したのです。クラプトンはジョージの決断に驚いたものの、協力を惜しみませんでした。自らのバンドを招集し、ジョージのレパートリーからのセットリスト決定、パートの楽器分担とサード・ギタリストの人選、リハーサル会場の手配、スケジュールのすべてを取り仕切りました。しかしリハーサル中もジョージは「やっぱり復帰はやめる」と何度も言い出したそうです。74年の全米ツアーでマスコミから叩かれたことがトラウマになっていたとのこと。本当はライブ復帰などしたくはなかったのです。そこでクラプトンは、温かく、そして真剣に音楽を聴いてくれる日本をツアー場所に推薦し、ジョージを納得させました。そして遂にジャパン・ツアーが実現したというわけです。このジャパン・ツアーは、言わばジョージとクラプトンの生涯に亘った友情を目の当たりに示してくれたものだったのです。このツアーからは全公演の音源がリリースされていますが、時系列で聴いていくと、日を追うごとに緊張が解け、本来の調子を取り戻していくジョージの姿が分かります。それはこの名古屋で完全なものとなりました。MCの量も多くなって打ち解けている様子が分かります。本盤が、91年ジョージのジャパン・ツアーで最高音質を極めた名古屋公演のDATマスターを最高の形で収録し、最も違和感のない形でDevil's Radio以降を繋いだ決定版です!どうぞ「伝説」のステージを聴き通してください。二人の厚き友情を確かめてください。★録音者提供のオリジナルDATマスターよりダイレクト収録。奇跡的超高音質 ★DATマスターの音質は変えていませんので、これがマスターの音です。信じられません。 Live at Nagoya International Exhibition Hall, Nagoya, Japan 5th December 1991 ULTIMATE SOUND(from Original Masters) Disc 1 (77:33) 1. Pre-Show Music 6分収録 2. I Want To Tell You 3. Old Brown Shoe 4. Taxman 5. Give Me Love 6. If I Needed Someone 7. Something 8. What Is Life 9. Dark Horse 10. Piggies 11. Pretending 12. Old Love 13. Badge 14. Wonderful Tonight Disc 2 (61:09) 1. Got My Mind Set On You 2. Cloud Nine 3. Here Comes The Sun 4. My Sweet Lord 5. All Those Years Ago 6. Cheer Down 7. Devil's Radio * 8. Isn't It A Pity * 9. While My Guitar Gently Weeps * 10. Roll Over Beethoven * *...Live at Osaka-Jo Hall, Osaka, Japan 2nd December 1991 George Harrison - guitar, vocals Eric Clapton - guitar, vocals Andy Fairweather Low - guitar Chuck Leavell - keyboards Greg Phillinganes – keyboards Nathan East - bass, vocals Steve Ferrone - drums Ray Cooper - percussion Katie Kissoon - backing vocals Tessa Niles - backing vocals









