2017年の最新ツアーだったにもかかわらず、思いのほか音源の流通に恵まれないまま現在に至るのが「NO FILTER」。ツアー終了から一か月半が経過しましたが、未だに全公演のアイテムリリースが実現しません。それどころか「PARIS 2017 3RD NIGHT」を最後に、黄色いジャケでおなじみのリリースが途絶えてしまったほどです。名音源がひょいひょい出てきた2015年の「ZIP CODE」ツアーと比べて何とも対照的な状況と化していまいました。そうこうするうちに間が空いてしまいましたが、今週は久々に「NO FILTER」ツアーの隙間を埋めてくれるアイテムが登場します。最初にご紹介するのは10月3日のコペンハーゲン。ただしこちらの音源ですが、あまりよくないクオリティのオーディエンス録音。それは会場のスピーカーから遠めなポジションからの録音だったことが推測できる音像。このせいで低音域が強く、演奏の音像をさらに奥へと追いやってしまった感があります。いくつかの箇所ではリミッターが作動してしまい、演奏のエッジが引っ込んでしまう。とどめは2017年には珍しいモノラル音質ときた。このように三重苦を背負ったコペンハーゲンのオーディエンス録音なのですが、それでも今回のツアーから未だにリリースが実現していない公演ということから、敢えてリリースを決断。そこでリリースに当たっては徹底的なイコライズを敢行。元の音源とは比べ物にならないほど、じっくり聞き込める状態へと生まれ変わらせてみせました。何と言ってもこの音源でリスニングにおける最大のストレス要因と化していたのが強すぎる低域。ここをイコライズで抑えることにより、奥に追いやられ気味だった音像が前へと押し出されて存在感を取り戻しました。既にこの時点で元の音源よりも格段に聞きやすく、元の状態を聞かれたマニアであれば驚くこと間違いなしのアッパー版へと進化を遂げたのです。さらにはリミッター作動による音量の上下動も可能な限りアジャスト。元の音源にあった2017年らしかぬ録音クオリティが一気に解消されました!もちろん、ここまで挙げてきた問題点からも解っていただけるように、間違ってもハンブルクやルッカのクオリティ・レベルではない。その点に関しては今回の「NO FILTER」中でもっともマニア向けな音源となっているのは事実でしょう。またモノラル音質ですので、ヘッドフォンよりはスピーカーから鳴らした方が圧倒的に楽しめる録音状態なのも確か。ただし今回のリリースに際して施したイコライズが絶大な効果を上げていますので、まずはスピーカーから鳴らせば臨場感と相まっていい感じで楽しめるはず。開始当初のスロー・スターターぶりがマニアを不安に陥らせた「NO FILTER」ツアーではありましたが、コペンハーゲンは10月の公演ですので、チューリッヒを機に調子を上げてきたストーンズの姿が捉えられており、演奏面に関してはオープニングからエンジン全開のパフォーマンスを披露。実際に「Sympathy For The Devil」においてはキースの勢い余った凡ミスがみられ、さらには「Under My Thumb」でも彼による構成違いハプニングが起きています。しかし、そうしたハプニングがツアー開始当初ほどヒヤヒヤさせないのが10月ショーのいいところ。こうして挙げたキースのミスに関しても、むしろご愛敬なレベル。その証拠として、この日の目玉レパートリーである「Doo Doo Doo Doo Doo」の演奏は素晴らしいの一言。近年、折に触れて演奏されてきた曲ではありますが、ここでは正に70年代を彷彿とさせるかのようなワイルドな演奏が聞かれます。それ以上に素晴らしかったのが「Midnight Rambler」。ミックがステージのセンターに向かったことに反応したチャーリーがマーチ調のドラミングへと切り替えたことで一気に演奏が白熱。このままマーチ調が続いて演奏が戻れなくなったらどうしようかと、思わず余計な心配をしたくなるほどスリリングな展開が印象的。この音源はテーパーの周囲にいた女性ファンの盛り上がりが随所で目立つのですが、ツアー開始当初から比べるとすっかり勢いを取り戻した「Street Fighting Man」の演奏が盛り上がりをみせたところで思わず絶叫。ところが、演奏中に発した絶叫に我慢できなくなった男性に怒られてしまいます(笑)。確かに耳障りな場面なのですが、ストーンズの演奏の盛り上がりが相当なのも事実であり、彼女たちが思わず興奮してしまったのも頷けるハプニングでした。そしてこの文章の最初で申しましたように、音質面においてはマニア向けなリリースだと言えるでしょう。それでもなお、元の音源から飛躍的に聞きやすくなったアッパー感は是非とも注目していただきたいところです。何しろ聞き込める音質へと生まれ変わったのだから。「NO FILTER」ツアー10月以降のステージらしく、ストーンズの演奏は絶好調。それをスピーカーから大きな音で鳴らして勢いを味わってください。このアイテムによって最新ツアー・アイテムの空白が埋まりました! Live at Parken Stadium, Copenhagen, Denmark 3rd October 2017 TRULY AMAZING SOUND Disc 1 (67:00) 1. Intro. 2. Sympathy For The Devil 3. It's Only Rock'n Roll 4. Tumbling Dice 5. Just Your Fool 6. Ride 'Em On Down 7. Under My Thumb 8. Doo Doo Doo Doo Doo 9. You Can't Always Get What You Want 10. Paint It Black 11. Honky Tonk Women 12. Band Introductions 13. Happy 14. Slipping Away Disc 2 (61:13) 1. Miss You 2. Midnight Rambler 3. Street Fighting Man 4. Start Me Up 5. Brown Sugar 6. Jumping Jack Flash 7. Gimme Shelter 8. Satisfaction









