ビートルズのアルバムが1980年代にリマスターされたきりで放置プレイされていたことに業を煮やして立ち上がったマニアがDr. Ebbetts。彼は21世紀最初の10年においてアナログ本来のウォーミーさを銀盤に封じ込めるべく、多くの労力をつぎ込んでビートルズの各国盤をCD化していたのです。彼がこだわったのは、あくまで「LPを素直にCD化」というもの。LPに生じるスクラッチノイズを隠蔽するイコライジングを極度に嫌い、状態の良い盤から丁寧にトレースすることに最大限の力を注いでいました。Dr. Ebbettsのおかげでビートルズ各国のアルバムがCDに封じ込められ、しかも手軽に聴けるようになったことはマニアの間で大きく評価されていたものです。とはいっても流通経路が限られていたことに加え、所詮は一マニアのリリースであったことから小規模なリリースに留まってしまったことが惜しまれました。そのせいでファイルという形でアイテムが広まったり、さらにはコピー盤が幅を利かせることにもなってしまったのですが、それらも今や昔。何よりも2009年になってオフィシャルで見事なリマスターが実現したことで自らの役割を終えたと感じたDr. Ebbettsは活動を停止してしまいました。今となっては各国盤LPの丁寧なCD化に力を注いでいた印象が強いDr. Ebbettsですが、一方で独自のミックスを施して遊んだアイテムもいくつか存在していたのです。その一つが今回ギフトとしてリリースするファースト・アルバムのステレオ・リミックス。マニアでなくともご存知かと思いますが、ビートルズ最初の二枚のアルバムは2トラックのステレオで録音されたことで演奏と歌が左右に分かれた原始的なイメージのステレオでした。そこでDr. Ebbettsがトライしたのは、ボーカルがセンターから聴こえるイメージへのリミックス。しかし元があのような原始的なバランスですので、ここで彼が施した仕上がりは「ボーカルがセンター」というよりも「右チャンネルを真ん中にまで広げた」といった状態(笑)。しかも涙ぐましいことに、ボーカルが入らない箇所は律儀に右チャンネルに押し戻されており、センターミックス感を演出しようとしていたほど。今のテクノロジーでしたらよりセンターに位置したミックスが作られるでしょうが、2003年の段階でそれを試みていたDr. Ebbettsには感服するばかり。また現行の2009年リマスターとは違ったウォーミーなDr. Ebbettsマスタリングの魅力も十分に味わえ、例えば「Anna」ではそれと違った厚みのある音質が新鮮に響き渡ります。このギフトで初めて聞かれる方を驚かせるには十分な仕上がり。それだけにプレイバックにはヘッドフォンを用いて、そのユニークな仕上がりをじっくりと楽しんでいただきたい、ファンによるリミックス・バージョンです。 THE BEATLES - PLEASE PLEASE ME (DR.EBBETTS STEREO REMIX) (32:51) 1. I Saw Her Standing There 2. Misery 3. Anna (Go To Him) 4. Chains 5. Boys 6. Ask Me Why 7. Please Please Me 8. Love Me Do 9. P.S. I Love You 10. Baby It's You 11. Do You Want To Know A Secret 12. A Taste Of Honey 13. There's A Place 14. Twist And Shout









