……これがTHE WHO最後の勇姿となるのでしょうか。昨年11月より、50周年を祝うグレイテストヒッツ・ライヴ“THE WHO HITS 50!”でヨーロッパを回っているTHE WHO。本国公演のハイライトとなる「グラストンベリーフェス2015」に大トリで出場しましたが、その大舞台を前にしてピート・タウンゼントが「このツアーが終わったら、俺とロジャーとは別々の道を歩むつもりだ」と発言しました。昨年は「最後の大規模ツアーだけど、THE WHOが終わりになるわけではない」と言っていただけに、この発言の真意は波紋を呼び、さまざまな憶測を生んでいます。そんな中で開催された「グラストンベリーフェス2015」の模様をマルチカメラの“完全品質”プロショット映像が本作です。実は、この公演はイギリスBBCテレビでも放送されたのですが、それは1時間ほどの短縮版で「Bargain」「Join Together」「Love, Reign O’er Me」「Eminence Front」「Amazing Journey」「Sparksの6曲がカット。ショウの全貌が分かるようなものではありませんでした。その後、1時間45分収録の完全版としてネット上にアップされ、話題沸騰中なのです。そのマスターに最新のマスタリングを施し、完璧なサウンドにグレードアップさせました1本なのです。元マスターからして画質は完全無欠のデジタル・ハイビジョンのプロショット、音声も超クリアな公式仕様のサウンドボードのハイパークオリティだったのですが、画面を消して音声だけ聴いてみると楽音が塊になり、ドラムサウンドが混沌としている。そこで、過剰になっていた中低音域を最適のバランスに調整し、バンドの楽音が粒立ってクリアな状態で前面に出てくるように仕上げたのです。これにより、音声の迫力も格段にアップし、画質・サウンド・完全収録の3本柱がビシッと揃ったパーフェクト・バージョンになったのです。近年のTHE WHOの映像はさまざまにありますが、“総てが完全品質”というのは、非常に貴重。それゆえに一片の劣化もないよう、2枚組のDVDに仕上げる事にいたしました。そんな“完全品質”で映し出されるのは、先の衝撃発言をしたばかりのピートとロジャー・ダルトリー。疲れ果てたTHE WHOを想像していたわけではありませんが、齢70歳を越える彼らに不安を覚えていたのも事実です。ところが、この映像に映る彼らは、そんなこちらの感傷を吹き飛ばすような熱気! この熱さは一体何なんだ!? もちろん、ツアー名が示すとおりのグレイテストヒッツ・ショウなのですが、それがTHE WHOの50年に渡るキャリアを総括しているだけではない。何と言いますか、“ロックする”ことに人生を懸けた男たちの生きざまが映し出されているのです。THE ROLLING STONESやポール・マッカートニーと同じく、70歳を越えてもなおロックする、いや彼らをロックさせる不屈のスピリットが画面からほとばしっている……。その象徴となるシーンが中盤の「Bargain」の演奏後。ロジャーが「Nothing changed. 50 years.(50年間、何も変わっちゃいないな)」と笑いながらMCするのです。かつてのメンバーは既に亡く、肉体は確実に年月を刻み、変わっていないはずがない。それにも関わらず、「変わらなかったな」と彼は語る。インタビューになると「俺たちはもうロッキング・チェアがお似合いな爺さん2人なんだ」「この顔触れの集団も年老いることはあるんだと世に示すためのツアーなんだよ」と語る彼らなのに、「何も変わらなかった」が強がりに聞こえないのです。そして、ラストには、ロジャーがピートを紹介し、「この男がいたからここまで来れたんだ」とコメントして会場に大喝采が起こります。それを受けたピートは「君たちがいてくれたから、ここまで来れたんだ」とオーディエンスを称える。そう、彼らがロックに人生を捧げたように、私たちも捧げてきたのでした。当時は「若者の音楽」と信じて疑わなかったロック。当時、熱く語り合った友人たちのうち、何人がロックを聴かなくなっていったでしょう。でも、私たちは忘れなかった。忘れることなんてできなかった。だから、分かる。伝わってくるのです。ロジャーが「変わっちゃいない」と語る想いが、本作で彼らが奏でる“音”に込められているものが。本作の2枚のDVDに記録されているのは、いくばくかの映像と音声だけ。それが極限までにハイクオリティであっても、それ以上ではありません。ところが、それが一度再生されるや、その映像と音声は50年に及ぶバンドとファンを結ぶ絆となり、ステージの向こう側とこちら側に分かれていても、共に“ロック”を分かち合った人生に変わる。いいえ、それだけでもありません。画面の向こう側とこちら側、海の向こう側とこちら側までも“ロック人生”の実感で繋いでくれるのです。思い起こせば、1971年。あのとき、ピートがロックバンドとオーディエンスの理想の関係をロックオペラに仕立てようと構想した「ライフハウス」が2015年の今に証明され、完結したのかも知れません。衝撃発言の真意は、まだ分かりません。これからTHE WHOがどうなっていくのかも。今年12月31日のオークランド公演まで発表されていますが、それまでにさまざまな録音、映像が出てくる事でしょう。しかし、その中に“完全品質”は、もうないかもしれません。 Disc 1 (49:45) 1. Intro 2. Who Are You 3. The Seeker 4. The Kids Are Alright 5. I Can See For Miles 6. My Generation 7. Pictures Of Lily 8. Behind Blue Eyes 9. Bargain 10. Join Together 11. You Better You Bet Disc 2 (55:13) 1. Love, Reign O’er Me 2. Eminence Front 3. Amazing Journey 4. Sparks 5. Pinball Wizard 6. See Me, Feel Me 7. Baba O’Riley 8. Band Introductions 9. Won’t Get Fooled Again 10. Thank You So Much Bonus Track Liam Gallagher & Roger Daltrey Live on TFI Friday anniversary special aired on 12th June 2015 11. My Generation Roger Daltrey: Guitar, Harmonica, Vocals Pete Townshend : Vocals, Guitar Pino Palladino: Bass Zak Starkey: Drums Simon Townshend : Backing Vocal, Guitar Loren Gold : Keyboards Frank Simes: Keyboards John Corey: Keyboards PRO-SHOT COLOUR NTSC Approx.105min.









