1988年春、合計9公演が行われたオーストラリア・ツアーより、中盤に2日間行われたメルボルン公演の2日目・5月2日のライヴ・パフォーマンスを収録。 マイルスが予てより強く願っていた強力なドラマーとギタリストのグループ加入がようやく実現し、長い間彼の頭の中だけに描かれていたサウンドをバックに、インスピレーションに充ち満ちた神懸かりのようなフレーズを、正に水を得た魚の如くこれでもかと言わんばかりに吹きまくります。しかし自らが繰り出すインプロヴィゼイションの渦の中へと呑まれてしまうことは一刹那たりとも無く、セットの始めから終わり迄、ふんだんに盛り込まれたメンバーのソロ・パートすらがマイルスによって完全にコントロールされており、構築された即興という一種の語義矛盾とも言える異常な事態が現実しています。Benny Rietveld、Ricky Wellman、Marilyn Mazurの3人が生み出す、ファンク・ミュージックへの深い造詣に裏打ちされた活力溢れるグルーヴ、この時期のサウンドのイメージ・リーダーである2人のシンセサイザー奏者の斬新なプレイ、この編成が単なるバック・バンドではないことを端的に示すKenny Garrettと Joe Foley McCrearyという2人のソリストの大きな存在感など、マイルス以外のミュージシャン達も非常に強い印象を残す音源です。









