1977年「アニマルズ」ツアー終盤に4日連続で行われたニューヨークはマジソン・スクエア・ガーデンの後半2日、7月3日と4日公演をそれぞれマスター・クオリティの極上音質で完全収録。オリジナルは2009年2月リリース、Sigmaからリリースされ、長らく好評を頂いていた傑作4枚組です。ディスク1&2に収録された7月3日公演はより鮮度の良い、ヒスノイズの含有量が少なめのマスターサウンドで収録。音の粒立ちが既発とまるで違うのでより安定したクリアーなパンチ抜群のサウンドで楽しめます。既発は「炎」パートがディスクをまたがって収録されていましたが、本盤はショウ第二部をノンカットで聴くことができます。爆竹を鳴らす観客にピリピリムードのウォータースのアグレッシブなパフォーマンスが、全体の演奏をより緊張感あるものにしています。Pigs On The Wing 1では歌の途中(0:49)で爆竹にYou Cunt!と歌の途中で抗議します。Dogsの 2:33で派手な爆竹音が聞こえますが、ギルモアは豪快なギターソロで迫力ある演奏を披露します。Dogs終演後の花火に怒ったロジャーが"You Stupid Mother Fxxker!"と暴言を吐き、爆竹を打ち上げた人に"Fxxk Off!"と言う言葉を使って強烈に抗議します。Pigs On The Wing 2では構成を間違えてしまい、「間違えた」との言葉の次に、ギターをカッティングしながら怒りをかみ殺すように"Stupid Mother Fxxker"と非難の言葉を発します。スノウィも可も不可もなくといったソロを披露。仕切り直しのようにリックがPigsを端正なオルガンリフとシンセを絡ませるイントロをプレイすると、バンド全体も再びドライブがかかり始め、17分の巨大なドラマをスタートします。11:32-11:38と13:41に音の劣化あり(既発も同様)。既発同様に12:37でカットがありますが、吹っ切れたような豪快な演奏は聴き手を大いに満足させてくれます。ロジャーのボーカルも凄く、「19-53!」のシャウトもいつも以上に気合が入っています。強烈な演奏後、ロジャーは20分の休憩についての説明の後、再びキレ、「花火を鳴らすな!」と叫びステージを去ります。初めて「炎」パートをそのまま収録した第二部のSOYCDでは、5分38秒からのギターソロが一風変わっていたメロディで面白いです。7:53からのギルモアのソロは気合が入っており聴き応え満点。Have A Cigarではロジャーの熱唱が光ります。ギターソロは最初ノリの良いプレイを聞かせますが、後半、むちゃくちゃになってしまいます。Wish You Were HereのイントロSEがいつもより長く収録されています。ギルモアが落ち着いたボーカルで和んだ雰囲気を出します。Wish You Were Hereの2:10でテープ劣化するのは既発と同じです。後半のSOYCDは既発同様に8:19でテープチェンジによるカットがあります。中間部のスチールギターのスライドソロも凄い迫力ですし、ロジャーのボーカルも好調ですが、後半のインストパートでは盛り上がりにやや欠ける感じの演奏になってしまっています。前半、あれほどピリピリしていたロジャーですが、MoneyのSEイントロの中で、観客に対するお礼と曲紹介をします。4分台のギターソロ以降は、バンド全体が醸し出す、いつもと違ったスポンテニアスな雰囲気のロングプレイが非常に面白く、当日の素晴らしい聴き所になっています。やはり暴言を反省しているのかラストアンコールUs And Themの前にもロジャーは「花火を持ってこなかった人たち、今日は来てくれてありがとう。僕達も楽しかったよ。」と神妙なMCを行います。緊張感を解す様に演奏されるUs And Themもこの日は味わい深いものがあります。ディスク3&4に収録されたMSG公演最終日は、既発を上回る極上音質で収録されています。ジェネレーションの差は明らかで、ヒスが少なく鮮度の良いクリアーなサウンドでこの日の素晴らしいライブを再現してくれます。アニマルズ・ツアーの音源としてはオークランド、ボストンに匹敵する最高の音質で、これらの音源のようなダイレクト感とは違う、信じられないようなスケールの大きな音像で収録されており、これもまた「奇跡の録音」と言えるのではないでしょう。冒頭のSheepから究極のダイナミズムを感じることができ、あまりの迫力に、誰しもが押し黙って聴き入ってしまうことでしょう。Pigs On The Wing 1終わった後には前日同様に花火の音が数回にわたって炸裂。観客からもブーイングが起こりますが、ロジャーは前日のようにキレたりせず淡々と演奏をこなします。Dogs冒頭(0:54)の音のアタックの素晴らしさは凄いものがあります。曲中・曲間、お構いなしにパンパン鳴っている花火を蹴散らすような豪快なサウンドは爽快でもあります。バンド全体もノッて演奏しており、特に中間部のギターソロ・パートの迫力はものすごく、誰しもがその迫力におおいなる感動を覚えることでしょう。Pigs On The Wing 2の30秒付近でまたもや花火が打ち上げられ、ロジャーもさすがにボソッと抗議します。曲後半のギターソロも独創的でアドリブながらなんとか上手くまとめます。Pigsの5分?6分台の腰の座った粘り気のあるサウンドでのギターのロングソロはこれまた凄い迫力です。Pigsでは既発にもあったマスターに起因する11:46-12:30と13:31-14:20のカットを、同日のもうひとつの録音テイクをパッチすることでこの部分を完全収録しています。ロジャーは12:56で「90-54!」と叫びます。Shine On You Crazy Diamond前半で聴かれるこの日のギターソロは一風変わっていて面白く、聴き応えがあります。8分台のダーティなギターサウンドの盛り上がりは必聴!会場に設置された音群移動装置が威力を発揮し、凄まじい音空間を体感できます。後半のサックスも緊迫感を伴った殺伐としたムードを盛り上げます。Welcome To The Machineのイントロのアニメに観客が大受けしている様子がリアルに伝わってきます。ここまで迫力のあるWelcome To The Machineの演奏テイクはちょっと聴いたことがありません。怒涛の迫力のHave A Cigarのギターカッティングは是非体感して下さい。曲後半のロングソロも流暢とは無縁のある種、殺伐としたような叩きつけるようなソロを延々と展開しており、非常に迫力があります。Wish You Were HereのイントロSEは前日と違って短め。やや淡々としたWish You Were Hereはボーカルメロを変えながらのギルモアの熱唱が耳を引きます。SOYCD Pt6-9では3:40でマスターに起因する一瞬の音の劣化、そして10:49でのマスターに起因するカットがあります(既発も同じ)。前半のスペイシーなスチールギターソロなどは迫力満点ですが、20分間の、スポンテニアスでセッション風の演奏は長いツアーを経て行き着くところまで行ってしまった感のあるフロイド末期の姿を聴く思いであり(実際16分台ではニックが途中でドラムを止めてしまいます。)、同曲のエンドのリックのピアノからのパートは70年代フロイド自身への鎮魂歌のようにも聴こえます。欠落してたMoneyの冒頭43秒分を、ショウ後半のみを収録した同日別ソースから補填しており、初めてMoneyのレジスターSEとイントロを聴くことができます。3分台のソロでは再び会場内の音群移動装置が大活躍。Us And Them冒頭に再び派手な花火が打ち上げられ観客からブーイングが起こります。味わい深いこの日のUs And Themでは絶品の演奏が聴けます。まさに大別格音源。アニマルズ史上最強の音源と言っても過言ではない、ヴァイオレンスに満ちた壮絶極まりない音のドラマを体感できる超高音質録音版。 Live at Madison Square Garden, New York, USA 3rd & 4th July 1977 TRULY AMAZING SOUND Disc 1 1. Sheep 2. Pigs On The Wing 1 3. Dogs 4. Pigs On The Wing 2 5. Pigs(Three Different Ones) Disc 2 1. Shine On You Crazy Diamond Part 1-5 2. Welcome To The Machine 3. Have A Cigar 4. Wish You Were Here 5. Shine On You Crazy Diamond Part 6-9 6. Money 7. Us And Them Live at Madison Square Garden, New York, USA 4th July 1977 Disc 3 1. Sheep 2. Pigs On The Wing 1 3. Dogs 4. Pigs On The Wing 2 5. Pigs(Three Different Ones) Disc 4 1. Shine On You Crazy Diamond Part 1-5 2. Welcome To The Machine 3. Have A Cigar 4. Wish You Were Here 5. Shine On You Crazy Diamond Part 6-9 6. Money 7. Us And Them