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Pink Floyd ピンク・フロイド/California,USA 1980

1980年2月7日のロス・アンゼルスで行われた「ザ・ウォール」初演ライヴを、史上初めてマスタークオリティで完全収録。既発では10年以上前にリリースされた「AZIMUTH COORDINATER」(6CD)というタイトルが有名でしたが、今回のタイトルではこれまで流通していた同音源とは比較にならない程に音がクリアーな上、大きく被さっていたヒスノイズも全くないベスト・ヴァージョンです。更には鑑賞の妨げとなっていた「bump-noises」と形容されていたノイズが無い、非常に聴きやすい安定した鮮度抜群のサウンドで、記念すべきウォールの初日公演を楽しむことができます。音はそれなりに距離がありますが、音像自体は終始安定しており、籠りもありません。適度な臨場感はあれど、周囲に煩い観客もいないとても聴きやすいサウンドです。この公演では、通常行われる前節と後半In The Flesh手前のMCを、ラジオ局「KMET-FM」のシンシア・フォックスが務めており、LAらしく陽気なムードでコンサートのオープニングと中盤MCを務めています(語りを遮るようにいきなりスタートするのは同じですが)。結果的にコンサート自体は成功と呼べるものになっていますが、この日は幾つかのトラブルが発生してます。有名なのはEmpty Spacesで、特殊効果に使用した火がステージの一部(カーテン)に引火し、曲が始まって1分14秒を過ぎたあたりで、ロジャーが「ストップ!ストップ!」と叫び、演奏を中断させます。この間、ロジャーが月をテーマにした妙な語りを始め観客を盛り上げますが、機材はすぐに復旧した様子で、曲前のSEから再度リピートしてステージが再開されます。ノンカットで収録されているので、トラブルとはいえ、興味深いドキュメントとして聴くことができます。Another Brick In The Wall Part 3はまだThe Last Few Bricksとして整理されていないので13分近い大熱演が聴けます。この辺のパートの醍醐味は比較的、画一的な演奏ばかりのウォールライヴ史のなかで、唯一、70年代のフロイドらしいスポンテニアスなまさに本領発揮ともいえるジャムプレイが聴けます。その後、Goodbye Cruel Worldに入るわけですが、初めて観るその演出の見事さに、ファンが感動の思いで熱狂している様子が、盛り上がる観客の様子からリアルに伝わってきます。Hey Youから始まる第2部は本来、ミュージシャン側にしか聴こえないはずのクリック音が各所で大きく鳴ってしまうという失態を複数個所で聴くことができます。Nobody Homeの8秒目から1分目にかけてリズムマシンのトラックが大きく鳴ってしまっています。この辺りは音のトラブルが連続しておりVeraのイントロでは「Three, Four」の肉声カウントが大きく流れてしまい、ロジャーの最初の1節の後、20秒目から「One, Two..」と肉声カウントがこれまた大きく出力されてしまい、気付いたテクニシャンが「Seven」でオフにした様子をリアルな録音で聴くことが出来ます。Comfortably Numbでは再びリズムトラックがメトロノームのように5分間鳴り続けてしまい、結構演奏をスポイルしてしまっています(ギターソロの途中でようやく止まります)。こういったトラブルを細部まで聴けるのも、ここまでクリアーな音のマスターが出現したからなわけですが、このLA7日間連続公演初演が、いかにトラブルに満ちたものだったかが判ると言うものです。しかし、ロジャー&バンドはトラブルにめげず、最後までノンストップで演奏と続けます。Is There Anybody Out There? 等の演出にも観客が驚きの絶叫を上げているのが聴こえます。ラストのTrialの歌い回しは後のライブテイクとは全く違っており、初演ならではの生々しいパフォーマンスは、聴き手を大いに感動させてくれます。このようなトラブルがあったとしても、観衆は大満足だったようで、Outside The Wallでは万雷の拍手でバンドを讃えます。ラスト30秒のロジャーの「Thank you!!」の連発は巨大なショウを何とか成功させ、観客を魅了できたことへの満足感と興奮に満ち溢れたものだったのではないでしょうか。ウォール・ライブは、ナッソー、アールズコートと、演奏も音質もより良い公演の録音は沢山あります。しかし、現代になっても世界中のロックファンを魅了し続ける「ザ・ウォール」第1回目のライヴは、あらゆる意味で特別感に満ち溢れています。2014年、遂に登場した、ウォール初演ライヴ・LA初日。これは本当に優れた、そして重要なタイトルです。圧巻の、そして感動のドキュメントをたっぷりとお楽しみ下さい! Live at The Sports Arena, Los Angeles, California, USA 7th February 1980 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND Disc 1(68:26) 1. MC Intro (Cynthia Fox KMET-FM) 2. In The Flesh? 3. The Thin Ice 4. Another Brick In The Wall Part 1 5. The Happiest Days Of Our Lives 6. Another Brick In The Wall Part 2 7. Mother 8. Goodbye Blue Sky 9. Empty Spaces #1 10. Empty Spaces #2 11. What Shall We Do Now? 12. Young Lust 13. One Of My Turns 14. Don't Leave Me Now 15. Another Brick In The Wall Part 3 16. Goodbye Cruel World Disc 2(54:02) 1. Hey You 2. Is There Anybody Out There? 3. Nobody Home 4. Vera 5. Bring The Boys Back Home 6. Comfortably Numb 7. The Show Must Go On 8. MC Intro (Cynthia Fox KMET-FM) 9. In The Flesh 10. Run Like Hell 11. Waiting For The Worms 12. Stop 13. The Trial 14. Outside The Wall

Pink Floyd ピンク・フロイド/California,USA 1980

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