1979年ブラッフォード名義による「ONE OF A KIND」リリースに伴うUSツアーより、7月17日ロードアイランド、プロヴィデンス公演を、近年ネット等に流出したテーパー所有のオリジナル・オーディエンス・マスターよりコンプリート収録。当時としてはバランス、分離感、臨場感、いずれもAランクといえるクオリティーで、特にアンサンブルの核となる、ブラッフォードとジェフ・バーリンのリズム隊がオンで収録されているのが嬉しいところ。また、この約2ヵ月前のユーロ・ツアーで既にホールズワースは脱退しており、ジョン・クラークが参加。そしてこのUSツアーでやっとこの4ピースでのアンサンブルが確立された感があり、セット的にも前作の「FEEL SO GOOD」からのナンバーも含めバランス良く配置。まず緊張感溢れるSEから"Hell's Bells"でスタートし、ムード溢れる"Fainting In Coils"では、ビルのソロからの"Back To The Beginning"を挿入した、クールなインター・プレイと、シャープなリズムが極上の、この時期ならではのアレンジ。そしてドリーミーな”Travels With Myself/And Someone Else”でナイト・ミュージック的空間を演出したあとは、挑戦的な変拍子のジャズ・ロック"Beelzebub"からUKでもおなじみ"The Sahara Of Snow"において、アルバムの倍近くのインプロを展開。そしてテクニカルな”Five G”ではビルの超絶ドラムに呼応するかのように、ジェフやデイヴもインタープレイで応酬。またジョン・クラーク加入により、ホールズワースとはまた違ったデリケートなジャズ・アンサンブルを展開しているあたりも聞きどころ。ブラッフォードの驚異的なドラミングはもちろん、バンド・アンサンブルの妙も楽しめるファン必聴アイテム。