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Paul McCartney ポール・マッカートニー/McCartney II Unreleased Tracks

1979年夏に録音され、1980年5月にリリースされたソロ名義では 2作目となる『マッカートニー2』のプロトタイプ・ヴァージョンを収めたタイトルが登場!!未発表曲ありヴァージョン違いありと聴きどころ満載の定番音源です!!! 1979年6月に新しいラインナップでレコーディングされた『BACK TO THE EGG』をリリースした後、ウイングスは半年ほどライヴを行なわず、ポールはひとり『マッカートニー 2』となるアルバムのレコーディングを行ないます。そのセッションから「Wonderful Christmastime」のみがシングルとして79年11月にリリースされていますが、同時にツアーを開始したウイングスは翌年 1月に日本でポールが逮捕されたことにより、活動が停滞。夏に予定されていた北米ツアーもキャンセルされ、5月に『マッカートニー 2』がリリースされています。当初の予定どおりにツアーが行なわれていたら『マッカートニー 2』がリリースされていたのかどうか微妙なのかもしれませんが、そんな『マッカートニー 2』は当初2枚組でアセテート盤が切られており、本作はその音源を使用した1作になります。 元がアセテート盤ということもあり、プチプチとノイズが乗っていて、特にそれぞれの面のトップの4曲「Front Parlour」「Temporary Secretary」「Darkroom」「Check My Machine」ではそれが顕著。正式にリリースされたヴァージョンとは曲順や収録曲にも違いがあるものの、基本的にはラフ・ミックスが使用されています。また、全体的にピッチが高いのですが、これは意図的なものなのか、流出の過程でそうなったのかは不明。その上で追記していくと、「Front Parlour」「Frozen Jap」「Darkroom」「Check My Machine」「Coming Up」の5曲は未編集のロング・ヴァージョン。このうち「Check My Machine」はアルバムには収録されず、シングル「Waterfalls」のB面として発表されました。繰り返しの多い楽曲ですが、編集でカットされた部分にも注目すべき部分が多く隠されていて、興味深い内容です。 「Summer's Day Song」はインスト・ヴァージョン。インストのままでも充分素晴らしい出来で、メロトロンの音として最も有名なもののひとつであるフルート音が際立った、メロトロン好きにはたまらないヴァージョンです。「Temporary Secretary」「On The Way」「One Of These Days」「Secret Friend」「Bogey Music」「Nobody Knows」の6曲はテープ・スピードが若干変更されているものがある可能性はありますが、基本的にはラフ・ミックス。このうち「Secret Friend」はアルバムには収録されず、「Temporary Secretary」の12インチ・シングルのB面として発表されました。 「Waterfalls」もアセテート盤にはラフ・ミックスが収録されていたと思われるのですが、今までリリースされてきた同内容のタイトルでは、アセテート盤が不備があったのかアセテート盤の音源は使用されず、”リリース・ヴァージョンとほとんど違いがない”というジャケットに記された英文ライナー(以下、ライナー)に基づいて、リリース・ヴァージョンが収録されていました。本作ではこれまたライナーで触れられているピアノ・イントロ付きのプロモーション・ヴィデオのヴァージョンが代わりに収録されています。ポールが家の奥にはけた後に何かにつまずいてコケる”ドンガラガッシャーン”という音まで収録。 「All You Horse Riders」「Blue Sway」「Mr. H Atom」「You Know I'll Get You Baby」「Bogey Wobble」の5曲は未発表曲。「All You Horseriders」と「Blue Sway」は、ライナーでも触れられているとおりメドレーとして制作されていたようですが、それぞれ独立した曲を、それらとは別の”繋ぎのメロディ”でひとつにするというポールがたまに見せる手法で一体化されています。ポールは『マッカートニー 2』をリリースするに当たって周囲の人達の意見を参考に「人気のなかった曲」を外して1枚のアルバムに仕上げたと言いますが、馬の駆ける音をシンセで再現した音が鳴り続ける「All You Horseriders」はともかく、「Blue Sway」はなかなかのインスト。「Mr. H.Atom」はリンダがリード・ヴォーカルを取るニュー・ウェーブ色の強い可愛らしい1曲で目玉のひとつ。「You Know I'll Get You Baby」は同じフレーズの繰り返しで構成されたテクノ・ポップ。「Bogey Wobble」はリリースされた「Bogey Music」と同じく、地底都市を描いたレイモンド・ブリッグスの小説”Fungus The Bogeymen”にヒントを得た楽曲。泡の音を思わせるSEが特徴的な1曲。 リリースされたヴァージョンも一般的には「Coming Up」と「Waterfalls」以外はそれほど人気がなく、ポールのアルバムのなかでも評価の低い感があるのは否めませんが、ポールが自らの名義でロック/ポップのフィールドでリリースのした作品中、最も前衛的な作品とも言えます2枚組の段階ではそれよりも更に前衛色が強く、もしこのままリリースされていたとしたらこのアルバムの評価はもっと低くなっていたのかもしれません。しかし、このアルバムのテイストが好きなファンにはこれ以上ないほどの内容であり、必携の1作。 [Disc 1] 1.Front Parlour 2.Frozen Jap 3.All You Horseriders 4.Blue Sway 5.Temporary Secretary 6.On The Way 7.Mr. H. Atom 8.Summer's Day Song 9.You Know I'll Get You Baby 10.Bogey Wobble [Disc 2] 1.Darkroom 2.One Of These Days 3.Secret Friend 4.Bogey Music 5.Check My Machine 6.Waterfalls(video mix) 7.Nobody Knows 8.Coming Up

Paul McCartney ポール・マッカートニー/McCartney II Unreleased Tracks

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