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Jack Bruce,Cozy Powell ジャック・ブルース/Studio Rehearsals 1988

今年10月25日、71年の生涯を閉じたジャック・ブルース。今週は、我らが英雄の知られざる人生に近づける1枚をお届けいたします。その1枚とは、1988年に故コージー・パウエルと共にトリオ・バンド結成を画策していた時代のデモとリハーサル。コージー所有のカセットテープから直デジタル化したサウンドボード音源で、ジャックの、コージーの1音1音が耳元で鳴るメモリアル・アルバムです。本作は、歴史の闇から現れた謎の録音でもあります。マスターカセットはコージーの遺品、いわゆる“コージー・テープ”の1つ「COZY/JACK ETC BACK TRAX」であり、収録された会話からも本物であることは間違いありません。1988年ごろ、コージーがジャックと新たなプロジェクトの立ち上げを計画している事が国内や海外の音楽誌でも報じられました。ここで聴けるリハーサル・テイクは、その時のセッションだと考えられます。その内容から、どうやらトリオ編成のプロジェクトということは分かりますが、ギタリストが一体、誰だったのかも分かっていません。トップ2曲は、その新バンドのデモ。CREAMの「White Room」のインストカヴァーと、名も知られていない新曲です。その音質はゴチャゴチャと言葉を連ねる必要もなく「極上」。トリオというシンプルさもあり、コージーの一打一打、ジャックの指使いが克明に響きます。「OVER THE TOP」の「Killer」で競演している両雄ですが、ここでの演奏は、かの名演の再来。いえ、トリオならではの濃密な呼吸感は、それ以上です。イントロのドラムからして、なんともドラマティックな鳴りが胸を打ち、インストながら曲が進むごとに熱を帯びていく演奏は、本当に素晴らしい。1つひとつの音がどこまでも豊かでありつつ、その連なりがじっくりと情念を溜め込んでいく。そして、練りに練られた情感が醸成してクライマックスを迎える。経験の浅い青二才であれば安易に爆発させてしまうところですが、当時ジャックは45歳、コージーは41歳という脂の乗りきった時期。幾重にもフレーズを重ねては深みと熱を高めていく、まさに巧の演奏なのです。続く6テイクは、グッとリラックスした雰囲気のリハーサル。別のコージー・テープ「BRUCE/POWELL BIT」からダイレクトにデジタル化しており、やはりサウンドは極上です。軽いサウンドチェックの後に始まる「Sitting On Top Of The World」は、本当に言葉を失います。ジャックのズ太いベースに、深みのあるヴォーカル。リラックスしながらも深い深いブルースが滴っている。ほぼスタジオ・ライヴの演奏は、観客の有無も関係なく熱くなっていき、コージーもまるでBEDLAM時代に戻ったかのよう。この域にまで達したホワイト・ブルースは、ちょっと聴いたことがありません。曲を完奏し、満足げに笑い合うプレイヤーたち。なんて素晴らしい……。「Take It Back」や2テイクある「Crossroads」でも、水を得た魚のようにイキイキとした演奏が眩しい。思えば、ジンジャー・ベイカーに憧れ、BIG BIRTHAやBEDLAM時代にCREAMナンバーを叩きまくってきたコージーにとっても、これらのレパートリーはお手のもの。まさにホーム感覚のセッションだったのでしょう。ここまでと比べると、若干ラフな音質になりますが、それがまるで60年代かのよう。このセッションが「1988年」だということを忘れてしまうほど、ヴィンテージなムードたっぷりです。最後の「Discussion」は、セッションを終えて、スタジオの中で交わされる会話です。ジャックが名の知れぬギタリストに「お前、素晴らしいな!」と声をかけ、「ボクは合格かな?」と応える。そこで「俺独りじゃ決められないから(まだ分からないよ)」といった内容のやりとりが実に生々しい。当時のジャックは、ソロアルバム「A QUESTION OF TIME」の前年にあたり、コージーは、なかなかセカンド・アルバム製作に動かないEMERSON, LAKE & POWELLに業を煮やして脱退した直後。一般には、ジョン・サイクスとBLUE MURDERの結成に携わっていると思われていた時期です。周りを見渡せば、エリック・クラプトンは押しも押されもせぬ大物として音楽業界に君臨し、リッチー・ブラックモアは再結成DEEP PURPLE、ロニー・ジェイムズ・ディオはDIO、デヴィッド・カヴァデールはWHITESNAKEでプラチナ級の成功を収めていた。その時代に新バンドを組み、彼らはどんな音楽を目指してCREAMナンバーをプレイしていたのだろう……聴けば聴くほどに想像力を掻き立てられる1枚なのです。本作は、コージーの「ALIVE IN STUDIO」のディスク2としてリリースされたものと同じ録音です。同作はリリース直後に完売してしまいましたが、このまま忘れ去られるにはあまりに惜しいほど豊かな音楽が詰まっている。そこで、改めてオリジナルカセットより再デジタル化し、リリースする運びとなりました。コージーが亡くなって16年、ついにジャックまで去ってしまいました。本作について「涙なくしては聴けない」などと、陳腐な喧伝をするつもりはありません。ただ、CREAMやRAINBOWだけが彼らの人生ではなかったことに想いを馳せていただきたい。代表作や大ヒットの後も、彼らの人生は続き、世間の知らぬスタジオの中でも芳醇な音楽を奏でていた。その事実に触れていただきたいのです。ラストの「Discussion」で、オーディションを受けたギタリストに向かって「お前のことは覚えておくよ!(Don't Forget That Man!)」と声をかけるジャック。今宵は、この言葉を彼自身に贈ってください。ジャックが遺してくれた音楽を忘れず、愛し続けてくださる方のために、いつまでも色褪せない本作をお届けします。 Studio rehearsals & demos with Cozy Powell, Jack Bruce and unknown guitarist recorded in 1988 (36:17) Taken from the original cassette tape (Maxell UDII 60) hand written 'COZY/JACK ETC BACK TRAX' by Cozy Powell Studio Demos 1. White Room 2. Title Unknown Taken from the original cassette tape (TDK AD90) hand written 'BRUCE/POWELL BIT' by Cozy Powell Rehearsals 3. Soundcheck 4. Sitting On Top Of The World 5. Take It Back 6. Crossroads #1 7. Crossroads #2 8. Discussion

Jack Bruce,Cozy Powell ジャック・ブルース/Studio Rehearsals 1988

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