1972年8月にグループを解散させ、BB&Aとしてトリオで活動を開始、その最初期となる72年ヨーロッパ・ツアーより、サウンドボード音源として知られる2公演を、オリジナル・マスターにデジタル・リマスタリングを施した過去最高のベスト・クオリティーにてカップリング収録。いずれもヒスノイズ等が目立つ箇所などを修復しており、バランスも安定した音質でまだアルバムもリリースされていない貴重な時期のライブを再現。まずDisc:1にはこの3人でステージに立つのが4公演目となる72年10月3日ベルギー、ブリュッセル公演を収録。スーパー・トリオ観たさに集まった観客はまずそのすさまじいパワーとテクニックに圧倒。セットも第1期などのナンバーも含み、ライブを行いながらリハ的にバンド・アンサンブルを構築していた時期で、特に後半” Jeff's Boogie”は様々なパターンで長々と弾いてみたり、”Why Should I Care”はスタジオ盤のようなリフではなく、通常のロックンロール・リフでプレイしたりするあたりは聞き所。そしてDisc:2はこの5日後となる10月8日ドイツ、フランクフルト公演を収録。こちらもまだ未完成な部分が多く、オープニングの”Superstition”ではまだトーキング・モジュレーターを使っていなかったり、メドレーの”Tonight I'll Be Staying Here With You”では、ジェフも2度と弾かないであろう独特のバッキングを披露。さらにこのフランクフルト公演は、終盤ステージ後方に飾られた星条旗に過敏に反応したドイツ人たちの怒りが爆発し、PAシステムとドラム・セットを破壊し、ライブが中止になったことでも知られる日。この後大規模なワールド・ツアーで世界中にこのトリオのすごさを知らしめることになる前ぶれと云えるレアなパフォーマンスを最高のクオリティーでここに。