1974年8月16日、ロンドンはマーキー・クラブ公演をオリジナル・マスター・カセットより66分に渡ってコンプリート収録。日本人旅行客が渡英中にたまたま録音した、オリジナル・テイクで、このバンドの最初期音源と言うことに。しかも時代を考えればクオリティーは素晴らしく特に2曲目以降は驚異的なレベルのサウンドにて。時期的にもファースト・アルバム発売直前のライブで、曲間でゲイリー・ホルトンの「今度、発売されるアルバムから」というMCも。またギターのミッキー・ウォーラーを始めとする勢いに満ちた、ブリティッシュ・バンド然としたバンド・パフォーマンスは往年のファンなら鳥肌もの。また後にUFOに加入するダニー・ペイロネルのピアノ、オルガン、シンセを駆使したキーボードも、バンドのオリジナル・サウンドに一役買っており、この手のバンドでは珍しいソロプレイもそれぞれが聴き所。70年代初頭のグラムロックよりは、明らかに硬質でハードで整合感もあり、後のパンクよりは音に円熟味と技巧があり、それぞれの音にキャラクターが立ったメロディックな80年代ハード・ロックの先駆者とも言える高品質なサウンドと演奏がここに。