世界一シビアなイギリス野郎どもでさえ、ひれ伏せさせたTWISTED SISTER。では、私たちの住む、この日本ではどうだったのでしょうか。本作こそ、その超リアルなドキュメント記録です!史上、唯一となったTWISTED SISTERの来日公演は、連続3日間。「1985年3月1日・東京NHKホール」「3月2日・大阪フェスティバルホール」「3月3日・名古屋市公会堂」ですべてです。本作は、その初日のNHKホール公演を78分にわたって完全収録したライヴ・アルバムです。録音者本人から提供されたカセットから起こされたオリジナル・マスターを使用。 本作でも熱狂的なムードがたっぷりと伝わってきますが、やはり英国とは違う。彼の地では、骨太なメタル・ヘッドの尊敬を一身に集めましたが、日本はケバい見た目と「We're Gonna Make It」のビデオで、バンドの本質が歪んで伝わってしまったと言わざるを得ません。本作も冒頭から大いに盛り上がっていますが、その熱狂には幾ばくかミーハーな雰囲気も混じっています。ところが! ショウが始まるや、物見遊山なムードもどこへやら。観客もグイグイと引き込まれていくのが手に取るように分かるのです。3曲目の「Under The Blade」になる頃には、IRON MAIDENやJUDAS PRIESTと変わらぬメタルヘッドな雰囲気に包まれてしまう! なんという力業!その「Under The Blade」の後は、ディー・スナイダーのMC。イギリス公演では早口でまくし立てましたが、ここでは分かりやすい英語を一言ひとこと噛みしめるように「ここで演奏するまですごく長い・長い時間がかかってしまった。ついに実現できて嬉しい」と語りかけます。初めての日本、その初日にも関わらず、その国の状況を事前に察知し、丁寧に対応している。さらには「You Can't Stop Rock'n'Roll」の後にも、はぁはぁと息を切らしながら、バンドを信じてサポートし続けてくれた日本のメディアへの感謝の気持ちが語られます。その熱っぽさ、真摯な態度は本物。見た目にはバカっぽく勢い重視のようですが、極めてクレバーに、徹底してプロフェッショナルな素顔が覗く瞬間でもあります。そして、やはりハイライトはこの曲。「We're Not Gonna Take It」! ドラムソロに続いて、あの印象的なイントロのビートが叩き出されただけで場内は大興奮!! その熱狂に後押しされるようなハイテンポで、パーティロックがメタリックに蘇った大熱演。中盤の「Oh, oh, oh」「Yeah!!!」のかけ声から「We're not gonna take it」の大合唱には、背筋もゾクゾクッ! 「これだからオーディエンス録音はたまんねぇぜ!!」と口走ってしまう瞬間です。さらに続く「I Wanna Rock」では、11分にも及ぶ熱演。プロモビデオと同じギミックが再現されたイントロから大熱狂。ディーがマイクを向ける度に、ビシッとそろった凄まじいかけ声が巻き起こる。ディーのMCにも「I wanna rock!」「分かってるよ!」と叫ぶ観客。もはや、何語だろうが関係ない大盛り上がりです。座って見ている観客へのスタンドアップコールもあり、さすがに名指しではありませんが、日本メディアのI氏やS氏も指さしで立たされています。先ほど「マイクを向ける度」と書きましたが、本作はCDですので、当然映像はありません。しかし、映像など必要ないくらいに“アクションが見える”アルバムなのです。「The Price」「S.M.F.」の熱演の後、バンドは一旦引っ込み、演出のテープが流されます。その合間のアンコールを求める観客の熱狂も凄い。ほとんどのライヴでは一休みしがちシーンですが、ここでは「誰ひとり休んでないのか!?」と思うほど。そして、ディーが顔を出した瞬間に沸騰(やはり映像なしでも見えます)! 観客への感謝の言葉に続き、「I Am (I'm Me)」が演奏され、ライブを力強く締めくくります。 冒頭では「ミーハーなムードも……」と書きましたが、数曲で観客のかけ声もムチ撃ちのようにビシッとそろい、本編のイギリス公演ともなんら変わらなくなります。英語の通じない、なかには興味本位な観客も交えた日本のオーディエンスを完全に掌握し、尊敬をもぎ取っていくTWISTED SISTER。その一部始終をスーパー・リアルに真空パックした1枚なのです。「TWISTED SISTERのライヴは本当に凄かった」が語り草になったのも、もはや30年前のこと。80年代中期だからこそあり得た、本物のエンターテインメント・メタル。あなたもその真髄に触れた、数少ない日本人の1人になってみませんか? Live at NHK Hall, Tokyo, Japan 1st March 1985 AMAZING SOUND(from Original Masters) (78:12) 1. It's A Long Way To The Top(AC/DC) 2. Stay Hungry 3. The Kids Are Back 4. Under The Blade 5. The Beast 6. Like Knife In The Back 7. You Can't Stop Rock 'n' Roll 8. Shoot 'Em Down 9. We're Gonna Make It 10. Burn In Hell 11. Drum Solo 12. We're Not Gonna Take It 13. I Wanna Rock 14. Member Introduction 15. The Price 16. S.M.F. 17. Encore Break 18. I Am (I'm Me) Dee Snider - Vocal Eddie Ojeda - Guitar Jay Jay French - Guitar Mark Mendoza ? Bass A. J. Pero ? Drum