1995年に発表されたアルバム『OUTSIDE』は、ボウイの18枚目のスタジオ・アルバムになる。ボウイの作品はいずれも音楽性から何から前作とがらりと雰囲気を変える事で常に賛否を巻き起こしてきた。その為どのアルバムが良いといった単純に比較出来るものではなく、全てのアルバムをトータルで聴かなければいけないといった意味においては、ディランやビートルズといったアーティストと比肩する。そんなボウイのアルバムの中でも名作と考えられているのが『ロウ』『ヒーローズ』『ロジャー』の三部作である。特に前2作はボウイのキャリアにおいても重要なアルバムであると認識されている。この3枚のアルバム、俗にベルリン三部作として一括りにされているのは、プロデューサーにブライアン・イーノを招聘し、ベルリンに移住したボウイがジャーマン・ロックの要素を採り入れ作られた実験的アルバムであるという共通項に拠る。『ロウ』の収録がインスト・ナンバーで半数を占める事に当初レコード会社から難色を示されたが、セールスの大成功を受けて同様のコンセプトで『ヒーローズ』が作られた。 そして時を経て、ボウイは再びブライアン・イーノとのコラボレーションをする事になった。当然ファンはベルリン三部作のような後世に残る名盤を期待したはずである。今回のコンセプトは「荒廃した現代」という、『ダイアモンドの犬』の世界を現代に移し、サイコホラーのような猟奇殺人をテーマに、アルバム全体でひとつのストーリーが完成する形式が採用された。これは『ジギースターダスト』を踏襲したものと思われる。当初このボウイとイーノのコラボはベルリン三部作を超える全五部作として企画されており、アルバムタイトルも邦題では『アウトサイド』であるが、原題は『1. OUTSIDE』と番号が振られている。残念ながら暗鬱なテーマが伝わりづらくセールス的にも苦戦し、結果的に『1』のみがリリーされたのみで、このコラボは中座している。ボウイの死後、イーノが近年になって続編の話合いがもたれていたと告白しているが、ボウイが鬼籍に入った以上、それはファンの心の中にしか存在しない。 本作は、その『1. OUTSIDE』のアウトテイクを収録したものである。タイトルは前述の理由から『2. INSIDE』となっているが、実際の『2』がどのようなものになったかは想像の域を出ない。しかし同コンセプトで連作であったことを考えると、案外的外れではない気がするのだがどうだろうか。本作はわずか3トラックであるが、 それぞれが20分を超える長大なもので、特に最後のトラックは27分にも及び、トータルで72分弱。充分に一枚のアルバムの分量となっている。しかもその長さにも拘わらず、いずれも退屈とは無縁で、めくるめくドラマチックな展開は聴く者を飽きさせない。先に続編はファンの心の中にのみ存在すると書いたが、 本作はその一端を具現化してくれるボウイの未発表アルバムともいえる内容である。 MOUNTAIN STUDIOS, MONTREUX CASINO, SWITZERLAND March ? November 1994 01. I Am With Name 02. Leon Takes Us Outside 03. Enemy Is Fragile









