1973年~1974年にかけてイギリスのスタジオで録音された「Selling England By The Pound」「The Lamb Lies Down On Broadway」製作過程のリハーサル音源を収録。近年、ネットを通して発表された、話題の高音質テイクの全てを収録。ディスク1には73年夏のロンド ン・リハーサル・テイクを編集し、実際のアルバム曲順通りに並べ変えたテイク集を収録。ボーカルも仮歌だったり、パートによっては入っていなかったり、バ ンドアレンジもまだまだ完成には遠い状態ですが、あの名盤を構成する楽曲の初期ヴァージョンを楽しむにはうってつけと言える貴重なテイクの数々が収録され ています。「Selling England By The Pound」のデモテイクは過去に「In The Beginning」シリーズなどでコレクターにはお馴染みですが、本盤に収録されているテイクは音質的にも優れており、聴きどころも満載で、名盤のプロ トタイプとして非常に興味深く聴くことができます。なお、ボーナストラックの扱いでラストにI Know What I Likeのロング・イントロ・ヴァージョンが収められています。ディスク2には、「The Lamb Lies Down On Broadway」製作時におけるジャム・テイク集を収録。編集者により「The Jams Played Down At Headley」と名付けられた約79分の貴重な10テイク。「The Lamb Lies Down On Broadway」セッションとしてはかなり初期の録音でメンバーが持ち寄ったリフやテーマに沿ってバンドが延々と即興演奏を繰り広げる様子が聴けます。 編集者によって仮タイトルが付けられていますが、あの名曲の骨格となるリズムやメロディ・ソロが次々と展開していくパートの連続に、ファンは誰しもが驚き の思いで聴き入ってしまうことでしょう。ディスク3には「The Lamb Lies Down On Broadway」を初期ヴァージョンをアルバム収録曲順に収録。この時代のリハーサル・テイクは過去より数多くのものがリリースされていますが、本作は クオリティの高さ、構成の判りやすさ、楽しみやすさと言った点において、過去のタイトルを凌駕する大変優れた内容になっています。本来ならプレスCDでの リリースが相応しい充実の3枚組、これはお薦めです。