その超絶かつ強力なメンバーによる演奏力で、マクラフリンのキャリアの中でも最も人気の高いヤン・ハマーやビリー・コブハムを擁するマハヴィシュヌ第1期の1973年USツアーから、ツアー後半の2公演を、近年発掘が続いているビル・グラハムの「Wolfgang’s Vault」音源よりマスター・クオリティー、サウンドボードにてカップリング収録。まず特筆すべきは全40公演以上に及ぶ同年ツアーからの発掘音源は圧倒的に1月から5月末までのファースト・レグが多く、セカンド・レグとなる7月以降の音源が少ない中、本タイトルは7月21日マサチューセッツのレノックス・ミュージック・ホールと、ツアー終盤となる10月28日・ニュー・ヘヴンのエール大学でのライブをいずれもほぼコンプリートで。ツアー前半はフランク・ザッパとのジョイント・ツアーからの影響下、ジャズ/ロックのアプローチの強い演奏だったのが、この時期あたりからクロスオーバー的なアンサンブル重視となり、各々のプレイ・スタイルも完成形といえるまとまりを見せ、公演ごとに構成にも変化が。まず7月公演では序盤で定番だったリリースしたばかりの「火の鳥」からのタイトル・ナンバーでスタートし、ラストは壮絶かつ自信に溢れた”One Word”まで一気に。そして10月エール大学公演は、前月に来日公演も行っており、そのセット構成に近く、レノックス公演とはほとんど曲のダブリがないのも驚き。こちらはファースト・アルバムのオープニング・ナンバーからスタートし、”Trilogy”などの珍しいナンバーもセットイン。また両公演共に、マクラフリンのギターとフィルインしても音圧が落ちないコブハムのドラミングが強烈な最強メンバーによる最高のプレイがここに!