「火の鳥」リリース後の1972年マハヴィシュヌ第1期メンバーによる1972年ツアーからマクラフリン単独のソロ・パフォーマンスの音源とバンドによるレア映像をカップリング収録。まずDisc:1には72年8月19日、マクラフリンがグループとは別にドイツ、ミュンヘンで行ったアコースティック・ギター・ソロによるライブ・レコーディングを、FMオンエアー・マスターよりオフィシャル・クオリティー、サウンドボードにて。ここではこの後73年まで続くマハヴィッシュの爆発的な超絶ジャズ・ロック・サウンドとはうって変わり、彼自身のルーツとなるジャズのスタンダード・ナンバーを、アコースティック・ギター1本で表現しており、まずC・コリアのエヴァンスに捧げたナンバーからスタート。そして”Bitches Brew”時期を思い起こすマイルス・ナンバーから、ジェフ・ベックでもおなじみミンガス・ナンバーまで、クラシカルなエッセンスも取り込んで、もちろん随所に超早弾き技も交えてプレイ。同時期のマハヴィシュヌでの鋭角かつスリリングなプレイとはまた違った彼のギター・ルーツを知るにはマストな音源。 さらにDisc:2にはこの1ヵ月後となる9月17日同じくミュンヘンでTVプログラムとしてオンエアーされた"Das Sonntags Konzert 1972"を、近年再放送されたベスト・クオリティー、プロショットにて収録!「火の鳥」リリース直後ゆえ、セットリストも前作のファーストと同アルバムのナンバーからばかり。そしてこの後73年の長期ツアーに向けた最強布陣による圧倒的なパフォーマンスは1曲目の"Meeting of The Sprits"より大爆発。そして”You Know, You Know”ではいきなり度肝を抜かれる変拍子のイントロで始まり、一丸となったすさまじいドライブ感溢れる演奏に。またラスト”A Lotus On Irish Stream”ではハマーのバランス抜群の美しいコード付けも印象的。中盤"Hope/One World"以降、マスターテープの起因によりややクオリティーが落ちるものの、全編にわたり緊張感が途切れない圧倒的なアンサンブルで、マクラフリンの絶妙なバッキング・ワーク、と高速フル・ピッキング・スタイルによる超絶ソロが全開。さらにボーナスとして同72年のライブ映像(プロショット)を2曲プラスしたトータル53分は必見。1972年時期のマハヴィシュヌを知るにマストの必携アイテム。