1971年「原子心母」リリース後のユーロ・ツアーより、2月25日ドイツ、ハンブルグ公演を、オリジナル・オーディエンス・マスターより、96分にわたり”Astronomy Domine”以外の演奏曲をほぼコンプリート収録。アナログ時代からその音質クオリティーの高さで、70年代フロイドのライブ音源として最高峰に挙げられる本音源は、ドイツのテーパーが当時のハイエンド機器で録音したもので、まさに現代のDATレコーディング・レベルのサウンドで、貴重な当時のライブを再現。そしてそのオリジナル・マスターが近年ネット等に流出したものソースをダイレクトにCD化しており、オリジナル・アナログよりもさらにクリアーかつ、ノイズなどもほとんどない最高品質にてここに。そして演奏も名演で知られる翌日のオッフェンバッハ公演同様、素晴らしいもので、まずショーは「モア」からのロジャー作品で人間の心に迫る”Green Is The Colour”で幽玄にスタート。その後は実験的サウンドや、実験的曲展開を試みた”Careful With That Axe, Eugine”や”Set the control for the heart of the sun”と流れ,アルバムとはまた違ったフロイド・ワールドを展開し、特に20分近くに及ぶ完成度の高い”A Saucerful Of Secrets”は鳥肌もの。そしてこの日のハイライトといえる、地元オーケストラと合唱団を従えての”Atom Heart Mother”は音質の素晴らしさもあり、またあの「エコーズ」に登場する実験的サウンドも披露しており、本ツアーで何度か再演された「オーケストラ・原子心母」としては間違いなくベストの演奏と言えるもの。当時の彼等のライブは実験場であり、自らの創造性を模索した「原子心母」ツアーの完結と言える演奏、そしてさらなる高みとなる「エコーズ」への橋渡し的な演奏を、最高のクオリティーでほぼ完全再現した必聴マスト・アイテム