1972年「未完成狂気」ツアーにて、イギリス→日本→アメリカとツアーを継続していた後半USツアーより、9月2日ロサンゼルス、ハリウッド・ボウル公演を完全コンプリート・バージョンにてここに!元々オーディエンス・レコーディングとしてはAランク・レベルと云われていたものの、曲順が違ったり、アンコールがカットされたりなどの不備もあった中、本作は近年流出した録音者当人によるマスター音源にデジタル・リマスタリングを施し、カットも無くアンコールまでカンペキに収録しており、音質クオリティーも、この当時としては信じられないバランスの良さとクリアーさで、一聴しただけだとサウンドボードかと間違うほど。演奏の方も同年の来日公演同様、リリース前の「狂気」でショーはスタート。UK&日本ツアーを経て、ライヴ演奏を繰り返す事でより演奏が固まってきた時期で、終始聴き応え十分。72年型未完成「狂気」をたっぷりと堪能できるというもの。特に前半のギルモアの浮遊感溢れるソロから、次第に白熱していく様はまさに圧巻で、オフィシャルとは違う"Any Colour You Like"の全く別のパターンも。そしてここから"Brain Damage"、"Eclipse"と続くドラマチックなパートは、まさに鳥肌モノと言っても過言ではない、72年公演の中でもベストと言える圧巻の盛り上がりを聴く事ができ、「狂気」を産み出すファクターが全て揃ったと言える瞬間がここに。そしてその後も安定した演奏は続き、"Careful With That Axe, Eugene"と"Echoes"もカンペキで、幽玄かつ凄い迫力の演奏を披露。さらにあまりに感動的な”神秘”もこのツアーならではの構成ゆえ要チェック。「狂気」が生まれる過程の一つであり、フロイドがアメリカでも多大な評価を得ることとなった重要時期を収めた必聴のトータル118分!