1972年ほぼ1年間を費やして行われた「未完成狂気」ツアーの序盤4月のUKツアーの後、5月は単発的にヨーロッパ各地で行われたフェスに参戦。そしてオランダでの「アムステルダム・ロック・サーカス」出演4日前となる、5月18日のドイツ、ベルリン公演を、当時としては驚異的レベルと言えるオーディエンス・マスターよりほぼコンプリート収録。テーパーが当時のハイエンド機器でベスト・ポジションより録音したものとして過去より名音源として知られてきた中、これまで流通していたものはピッチの狂いやヒスノイズの目立つ箇所もあったものの、本作では近年ネット等で公開された全て修正されたリマスター音源をダイレクト使用したもので、「狂気」以降の第2部冒頭5分、”エコーズ”途中からギター・ソロまで、そして”太陽賛歌”後半部分で一部音がこもるのは、従来どおりながら、それら以外は過去最高のクオリティーといえるもの。そして演奏も第一次北米ツアーでプロトからほぼ完成形となった「狂気」、そしてその後の”ユージン”や”エコーズ”も幽玄かつすさまじい力で、しかもバンドの音はストロングに伝わりつつ、会場を駆け巡るように響き渡るコーラス・パートも美しく再現。因みに後のファン・サイトでは、実際に当日観たファンから、ウォータースが終始イライラしていたと記録されているものの、音を聴く限りでは全くそういう様子は伺えず、この時期としては珍しいアンコール・ラストの”太陽賛歌”まで、全てが聴き所と言える、カンペキにレストアされた1972年ツアー序盤、屈指の名演がここに。 Disc 1: Dark Side Of The Moon 01.Speak To Me / 02.Breathe / 03.On the Run / 04.Time / 05.Breathe (Reprise) / 06.The Great Gig In The Sky / 07.Money / 08.Us And Them / 09.Any Colour You Like / 10.Brain Damage / 11.Eclipse Disc 2 : 01.One Of These Days / 02.Careful With That Axe, Eugene / 03.Echoes ?encore- 04.Set The Controls For The Heart Of The Sun [Recorded at Deutschlandhalle, Berlin, Germany 18th May 1972]