カートをみる マイページへログイン ご利用案内 お問い合せ サイトマップ
 

John Wetton,Robin George,Carl Palmer,Don Airey/London 6.4.1986

86年マーキーライブの初日・6月4日の音源といえば、レーベルAyanamiの最初期タイトルとして当時大好評を博した『GO CLUBBING ! (Ayanami-007) 』がかつて存在しました(※リリースは2000年5月)。本作はその14年前の名盤に使用されたマスターテープを本編CD『MARQUEE 1986 2ND NIGHT』同様に2014年最新機材を使ってリマスタリング。収録原音をブラッシュアップし、現時点で可能な限りそのグレードを高めたタイトルです。既発盤のサウンドは全体的に靄が若干掛かった様なものでしたが、今回の最新リマスタリングで不鮮明だった音像がサッと晴れ渡って曲の輪郭が明瞭に浮き上がり、ヒスノイズも完璧に除去した事で出音してくるサウンドが見違えるほど視界良好になっているのが特徴です。また収録原音の良さを最大限引き出すことも同時に目指しましたので、当時のAUD録音特有の湿り気をしっかり残しながらもシャープな音像を実現。モコモコと不鮮明だったフィルのギター音(特に「Keep On Loving Yourself」で顕著でした)も、本作では端正な音色で明確に聴ける様になっています。また何と言ってもこの初日公演はウエットンの喉の調子が正常ですので、彼の歌唱パフォーマンスがより完璧な浮き出た音像で聴ける点も大きなトピックスでしょう。さて本作4日・初日の演奏は5日の演奏とは違っている点が多くあり、それがまた86年マーキーライブ両日の聴き込みを面白くしてくれます。例えば本作4日演奏の「Sole Survivor」はボーカルのところどころでエコーが掛けられているのが確認出来ますが、5日公演ではエコーが掛けられていないので、一曲目から早くも表現差が感じられるでしょう。また歌詞の切れ目で声を伸ばして歌い上げるという特徴的なシーンも随所(※2分04秒~07秒付近、同2分20秒付近、3分57秒付近、4分13秒付近)であるなど、聴きどころが目白押しです。「Only Time Will Tell」でもタフなサウンドイメージが耳を惹き、歌詞を一部入れ替えて歌っている3秒14秒付近では感極まって「♪Ohh...」と突発的な感情表現を入れているのも注目です。ドンのキーボードもオリジナルには無い魅力的な旋律を入れていますが、それも今回の最新リマスターによって躍動感ある旋律の筆致が一層強く耳に残ると思います。「Keep On Loving Yourself」からは翌5日の公演同様にフィル・マンザネラが加わり、ここから5人編成での演奏となります。やはり後の完成形とは違う長めの導入部やタイミングの合わせ方、全く違うギターソロ、やや間延びした後半部などアプローチの細かな違いが随所で大変興味深い演奏です。ドンの入れる装飾音も後の完成版には無いもので、これがドンのインスピレーションによるものなのか、それともエイジア未発表曲時代の名残りなのか、興味は尽きません。「Don't Cry」はこの日、曲後半のギターソロの音数が翌5日よりずっと多めで、ロビンが熱く弾き込んでいるのが印象的です。更に「The Smile Has...」ではエレキピアノの活躍が目立っており、ストリングス系の音色を主体にした5日のスタイルよりもオリジナルに近い表現になっているのが面白いところでしょう。ストーンズの「Honky Tonk Woman」から繋がるドンの鍵盤ソロでは5日の演奏同様にこの日も幾つかの曲が網羅されており、映画「未知との遭遇」での特徴的な5音階、またグレッグ・レイクの「夢見るクリスマス / I Believe In Father Christmas』の旋律も出てきます。6月なのに何故この曲を?と疑問に感じますし、「夢見るクリスマス」というよりはその原曲であるプロコフィエフの旋律を弾いているだけなのかもしれませんが、しかしここはこのライブの趣旨、即ち精神障害児に対してのミュージック・セラピーであった事に意図があったと思いたいシーンではないでしょうか。つまりこの曲で歌われる、 ---------------------------------------- 希望に満ちたクリスマスになるといいね躍進する1年がやってくるといいね心の中から怒り、痛み、悲しみを取り去ってあなたの道を綺麗にしてくれる様な・・ ---------------------------------------- ・・という、あのピート・シンフィールドが書いた歌詞をキーボードの旋律に込めたドンならではのメッセージだったと、ファンとしては読み取りたいところです。 「Time Again」は素晴らしくタフな表現が際立ちますが、当時このアプローチに違和感を感じた方も現在に至るまでのエイジアサウンドの遍歴を知っていれば、この日のこのプレイスタイルがどれほど大きな意味を持っていたのか、その重要度が改めてお分かり戴ける筈です。アンコールはここでも「Back In The USSR」に始まり「Heat Of The Moment」で締められていますが、翌5日はショウの初めからウエットンの声の調子が悪かっただけにアンコールの頃では喉が潰れて濁っている為、この演奏は本作4日の方がストレートにアンサンブルの良さと歌唱の魅力が出ています。特に「Heat Of The Moment」は正常な歌唱で聞き通せる86年唯一の演奏ですし、ブツ切る様な終曲の仕方も5日同様に独特なので最後の一音まで聞き逃せません。更にその終演後は何と3分半以上もテープが回り続けており、終演後に何度か入る挨拶や全てのショウエンドを告げる最後のDJアナウンスまで完璧に記録しているのも本録音の嬉しい特徴です。 エイジアの活動停止時期だったこの86年~88年頃、ウエットンに「君は最近何をしてるの?」と問い掛けると、彼は必ず「エイジア」と答えていたというエピソードが残っています。興味深い事にこのマーキー2公演が行われる直前、86年5月29日付けの英国KERRANG!誌にウエットンのインタビューが載っており、そこで彼は「エイジアは基本的にカール、ジェフ、そして自分の3人で組織されており、我々が居る限りエイジアは続くだろう」と、『ASTRA』発表後半年経ってマンディ・メイヤーが抜けた後のエイジアについて語っています。その定義で考えればこの86年マーキーの布陣は彼の中でエイジアではなかったのかもしれません。しかしマンディよりも先に目星をつけてエイジアに誘っていたロビンが居たり、ツインギターでエイジアサウンドの可能性を試したり、それまでには無かったハードなアプローチで曲を演奏してみたりと、後のエイジアの布石となる試みがこの86年マーキーライブにあったのは紛れも無い事実でしょう。 Live at Marquee Club, London, UK 4th June 1986 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND (70:27) 1. Intro. 2. Sole Survivor 3. Only Time Will Tell 4. Go Down Fighting 5. Keep On Loving Yourself 6. Don't Cry 7. Heartline 8. The Smile Has Left Your Eyes 9. Honky Tonk Women 10. Keyboard Solo 11. Dangerous Music 12. Drum Solo 13. Dangerous Music(reprise) 14. Time Again 15. Back In The USSR 17. Heat Of The Moment John Wetton - Bass, Vocal Robin George - Guitar, Vocal Carl Palmer - DrumsDon Airey - Keyboards Phil Manzanera - Guitar(Special Guest)

John Wetton,Robin George,Carl Palmer,Don Airey/London 6.4.1986

価格:

1,630円 (税込)

購入数:

在庫

在庫あり

返品期限・条件 返品についての詳細はこちら
この商品について問い合わせる

ページトップへ