1977年、アルバム「究極」リリースに伴うヨーロッパ・ツアーの中盤となる11月12日スウェーデン、ゴッセンーグ公演を、近年ネット等に流出したテーパー所有のオリジナル・オーディエンス・マスターよりコンプリート収録。とにかく過去流通に比べ音圧がすさまじく、スケールの大きさと迫力は本ツアーの音源の中でもまさにベストと言えるもので、特にクリスのリッケン特有のゴリゴリ・ベースが唸る様は圧巻。またリック・ウェイクマンが復帰し、再び黄金期のラインアップに戻っての本ツアーは、北米とヨーロッパを約半年間かけて敢行され、その終盤にあたるゆえ、演奏のまとまり具合も素晴らしく、セットは黄金期ならではの"Firebird Suite"からスタート。そして3曲目には早くも後半のアレンジが興味深い"Close To The Edge"が登場し、その後は「究極」のナンバーもはさみながら進行し、特に終盤、この時期のみの"Awaken"の序章とも言える、リズムを強調した、"Flight Jam"は後のワールド・ミュージックを彷彿さるアレンジにて。そしてハイライトソングと言えるドラマティックな"Awaken"はもちろん、既流通では一部カットされていた"Roundabout"もここではカンペキに再現され、ファイナル・アンコールのYours Is No Disgraceでは、後半でハウはすさまじいソロも披露。ラストまで大曲の連続で、その中でもシンフォニックに盛り上がるドラマチック・パートは、当時のオーディエンス録音としては奇跡的といえるもので、「究極」ツアーの素晴らしさを知るにはマストと言えるファン必聴アイテム。