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Yes イエス/California,USA 1972

1971年夏リック・ウェイクマンが加入し、「こわれもの」「危機」で黄金期を迎えることになる「フラジャイル」ツアーは9月24日イギリス、クイーンズ・ホールを皮切りに、翌年の全米ツアーも合わせて109ステージを消化。その数少ないUSツアー音源より、貴重な序盤2公演を、いずれも過去最高のベスト・クオリティー・オーディエンス・マスターよりカップリング収録。まずDisc:1&2には、1972年3月10日サンフランシスコ、ウインターランド公演をコンプリート収録。クオリティー的には当時のカセット録音ゆえヒスノイズやテープのよれる部分も数箇所あるものの、適度なリマスターを施すことで現存する中ではベスト・クオリティーと言えるもので、また演奏も「イエスソングス」のようにまだ確立されていない時期なので聞き所は多し。しかもこの日はブラック・サバスがヘッドライナーという2日間のイベント初日だったのが、なんとライブ前にイエスは機材全般が盗難にあい、楽器を全てレンタル。そのため、本会場のオーナーで知られるビル・グラハムが、開演前にオーディエンスに対して長いアナウンスを行い「火の鳥」が流れるという異例のスタート。しかしその後はちょうどアメリカでも「こわれもの」がリリースされ人気が高まっていた時期だけに”Roundabout”のパワフルな演奏でサバス目当てのファンも圧倒。後半からテープ速度などにも難があり、音質的にきびしい箇所もあるものの、一応この当時としては珍しくステレオ・レコーディングされており、ハウのギターが左右に飛び交うあたりはクリアーに再現。そしてDisc:3にはこの1週間後となる3月17日カリフォルニア、サン・ベルナンティーノ公演を、近年ネット等で流出したテーパー所有のオーディエンス・マスターより、当時としては驚異的クオリティーと言えるレベルで、48分にわたりコンプリート収録。前座公演ゆえショート・セットながら、その音質クオリティーと演奏内容の濃さは凄まじいものあり、オープニングの"Roundabout"からビルブラの自由奔放かつ手数の多いドラミングにまず圧倒。

Yes イエス/California,USA 1972

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