大阪、東京と1公演づつしか行われなかったリック・ウェイクマンの貴重な音源です。今年4月から5月にかけて行われた全英ツアーとは内容が異なるピアノソロでの日本特別公演ということで非常に注目されました。本作は7月1日の東京国際フォーラム公演を、録音者提供によるオリジナル・マスターより、極上レベルの高音質オーディエンス録音で完全収録。4列目のベストポジションからの録音ということで、ピアノの音が太く繊細なサウンドで捉えられており、聴きやすい、高品質な内容になっています。本公演は途中に約15分間の休憩を挟んだ2部構成で行われました。1部はパッヘルベル作「カノン」のオーケストラテープが流れる中、ゆっくりとリックが登場。テープに合わせて演奏を開始します。この時点で会場はまるでクラシックホールのような雰囲気に。リックの華麗なテクニックに会場も固唾をのんで聞き入っています。1曲目が終わるとマイクを持って挨拶。日本語を交えて「ワールドカップ、イングランド、ヘタクソ、マイジャパニーズ、ヘタクソ」と会場を笑わせてくれます。その後も曲間で当時のエピソードやジョークを交えて話をしています。自分のアルバム名が出ると会場から拍手がおこり、リックもそれに応えるようにおどけるといった楽しい様子もうかがえます。1部のハイライトは「地底探検」ではないでしょうか。リックのソロピアノであの壮大な曲が、丁寧に、繊細に演奏される様子はとても感動的で聞く者すべてを圧倒することは間違いありません。2部も同様にリックのMCをはさんで演奏が行われます。2部でのハイライトはやはりイエスの2曲でしょう。「同志」「不思議なお話を」というイエスでも人気の高いこの2曲がピアノソロではどうなるのか?会場のオーディエンスも1音も聞き逃さないよう張り詰めた空気の中、あの美しいメロディが会場いっぱいに広がっていきます。また、華麗にアレンジされたビートルズの2曲も大変素晴らしい出来です。まさしく「鍵盤の魔術師」から紡ぎ出された美しい音楽。普段聞き慣れた音楽がピアノソロになるだけでこんなに印象が違うのかを実感できます。イエスやプログレファンだけでなく、クラシック好きの方にもぜひ聞いていただきたいと思います。 Live at Tokyo International Forum Hall C, Tokyo, Japan 1st July 2014 PERFECT SOUND(from Original Masters) Disc 1(50:09) 1. Pachelbel's Canon In D 2. Catherine Of Aragon Catherine Howard 3. Morning Has Broken 4. Journey To The Centre Of The Earth 5. The Meeting 6. Merlin The Magician Disc 2(52:17) 1. The Jig 2. Life On Mars 3. Dance Of A Thousand Lights 4. King Arthur Suite 5. And You & I / Wonderous Stories 6. Help / Eleanor Rigby 7. Gone But Not Forgotten