1974年8月26日、クリーブランドはアゴラ・ボールルームでの公演をサウンドボード録音でコンプリート収録。ナチュラルで理想的なプリFMマスターを使用しており、エアチェック音源(2000年に再放送されています)とは一線を画すこれ以上なない最高レベルの音質で収録されています。6月下旬にジョン・ラトジー(故人)脱退後、ピアート加入以降の最も古い音源は今のところオーディエンス収録での8月14日ペンシルヴァニア公演なので、それに次いで古いのが今回のクリーヴランド公演という事になります。(残念ながらラトジー在籍時のライヴ音源は、今のところリリースされていません)デビュー・アルバム「閃光のラッシュ」リリース(カナダで1974年3月、アメリカでは7月)に伴う、主にキッスの前座として74年春から年末まで行われたツアー(本公演以外にも、アゴラ公演(12/16)、ドン・カーシュナーズ・ロック・コンサート(10/9)、エレクトリック・レディ・スタジオ(12/5)、ABCイン・コンサート(12/6)等、サウンドボート、プロショット等で遺されてます)ですが、前座公演が多く、短めのセットで演奏されるケースが殆どの中、今回のクリーヴランド公演は、かなり演奏曲の多いセット・リストになっているのが特徴的で、「閃光のラッシュ」から、Finding My Way、Need Some Love、In The Mood、Here Again、Working Man、What You're Doingの、この時期の基本的セット以外に、「夜間飛行」から、Best I Can、 In The End、ビートルズもカバーしていたラリー・ウィリアムズの楽曲Bad Boy、結成して間もなく書かれたオリジナル曲でアルバム未収録曲のFancy Dancer、Garden Roadを取り入れており、聴きどころになっています。(初期の未発表曲Can't You Seeを演奏している公演もあります)アンサンブルの素晴らしさは言うまでもありませんが、加入間もないピアートが、バンドに馴染んでいるどころか、後々の活躍を予感させる非凡なプレイを随所で聴かせ、類い稀なるバンド・アンサンブルをより高い次元に押し上げているのが感動的です!