ヘンリー・カウが集合体として、最後の輝きを放った1976年から1977年にかけて行われたユーロ・ツアーより、1976年11月10日フランス、パリでのライブを、近年発掘されたラジオ・ブロードキャストからの、サウンドボード音源にて収録。当時のサウンドボード・ソースがほとんど存在しない中、まさに貴重な歴史的発掘といえるもので、この混乱期かつ過渡期であるライブ・パフォーマンスを、あのオフィシャル・ライブ「コンサーツ」同様のクオリティーで聞けることは長年のファンとしては嬉しいかぎり。そしてメンバーに同年3月に脱退したヘーシストのジョン・グリーヴスの後任としてジョージィ・ボーンが加入、その彼を迎えて作られたものの、結局は未発表で終わった激レアの未発表ナンバー「Erk Gah」でライブはスタート。その後もフレッド・フリスを中心に、彼らの本領といえる殺気漂うアヴァンギャルドなサウンドから、活動後期に聴かれたシュールかつシリアスな器楽アンサンブル、そして時にはダグマーのヴォーカルをフューチャーした心安らぐナンバーなど、まさに集大成的ステージングを披露。特に中盤におけるバンドの精髄とも言うべき、インプロヴィゼイションは、ミュージック・コンクレート風のテープ・ループを駆使し、極めて前衛的なサウンドをクリエイト。アフリカ・インド・中近東・東南アジアのエスニック・ミュージックの要素、ジャーマン・ロックを彷彿とさせるスペーシーなパート、あらかじめ作曲されていたかのような緻密なアンサンブルが表出するパートなど、まさに万華鏡のような変幻自在の構成を持つ、壮大な音のコラージュは、ホジキンソン、クリス・カトラー、リンゼイ・クーパーら、最強の布陣ならではの高い完成度となるもの。全レコメン・ファン必聴マスト・アイテム。 1. Radio Intro / Erk Gah / Terrible As An Army With Banners / Improvisation/2. Improvisation / Living In The Heart Of The Beast/3. Living In The Heart Of The Beast/4. Interview [Live In Paris, France Radio Broadcast November 10th 1976 : soundboard recording] Dagmar Krause - vocals / Fred Frith ? guitar, violin, alto sax / Chris Cutler - drums / Tim Hodgkinson ? alto sax, organ / Georgie Born ? bass, cello / Lindsay Cooper ? bassoon, oboe, recorder, piano