70年代中期の貴重なライブ音源が、マスター・クオリティーにてついに陽の目を。1975年UKツアーより、5月17日エセックス大学におけるライブの模様を、近年発掘された関係者流出によるリール・マスターからダイレクト収録されたもので、関係者が記録用にステージに持ち込んだオープン・リールにて録音されたこの音源は、これまでその一部が流通し、当初はモノラル・サウンドボードと云われていたもの。そしてそのマスターが今回ネット等を介して公開されたもので、まずそのクオリティーは音のクリアーさ、臨場感、各パートの分離といい、この時代としては奇跡的と言えるもので、サウンドボード音源以上の迫力によるもの。しかもこれまでカットされていた部分も全て発掘され、ラストの” Up The Floyd”まで、この貴重な時期のライブを完全再現。そして時期的にもダモウが脱退し4人編成となり、ホルガー・シューカイが主導権を取りつつ、エレクトロニクスをライブに取り入れ出しており、まずシューカイとリーヴェツァイトの繰り出す拍動的リズムをバックに、カローリの暴力的なギターが暴れ狂う”Chain Reaction”でスタート。そしてこれまでの作品以外に、同年9月にリリースされる『ランディッド』からも、すでに”Half Past One”やメドレーに組み込まれた”Full Moon On The Highway”を披露。その中で、最大の聞きどころは、じわじわと高揚していくドラマテックな”Dizzy Dizzy”で、リズミカルなヴォーカルが印象的なこの名曲は、ダモウ時代とは違ったコマーシャルな側面も。そして名曲”Vitamin C”なども含めて、専任のヴォーカリストを失ったことで、インスト・パートをフューチャーし、特にシューカイがこの後のソロにつながるSE/テープ・コラージュを使用しているあたりも興味深いところ。 なお、この日のパフォーマンスはあの、『ライブ・ミュージック (Live1971-1977)』にも収録されておらず、貴重な時期のライブをフル・セットで完全再現した、しかもこのままオフィシャル・ブートレグとしてリリースも可能なレベルゆえ、ファンは絶対必聴マスト・アイテム。 Disc One : 01. Chain Reaction 02. Bel Air 03. Bel Air (cont) 04. Dizzy Dizzy 05. Pinch / Mother Sky Disc Two : 01. One More Night 02. Half Past One / Vitamin C 03. Meadow Street / The Gypsy / Full Moon On The Highway 04. Up The Floyd [Recorded at University of Essex, Colchester, UK 17th May 1975 : from Original Reel Master Audience Recording] Irmin Schmidt - keyboards, vocals / Michael Karoli - guitar, vocals, violin / Holger Czukay - bass, electronics / Jaki Liebezeit - drums, percussion