ビートルズ解散後のプライベートな場でのメンバーの交流がわかる音源2種をカップリング。リンゴが訪れたジョンの31歳の誕生日パーティー(71年10月9日)でのセッションと、1974年の現存する解散後唯一のジョンとポールのセッションを収めたもので、まず1971年 の音源は、ニューヨークのホテル、シラキュースで行なわれたジョンの誕生日パーティーで録音されたもの。アコースティック・ギターの伴奏と、ひっくり返したバケツをパーカッションに使った演奏に合わせて、部屋にいる人間が合唱するという、プライベート・パーティー然とした演奏で、アコーディオンも加わっており、ベルを鳴らす参加者も。テープは度々止められていますが、約45分の音源。リンゴとモーリンのスターキー夫妻、クラウス・ヴーアマン、ジム・ケルトナー、フィル・スペクター、詩人のアレン・ギンズバーグ等を含む大勢の人間が歌うというノリで、バディ・ホリーを始めスタンダード・ナンバーや、ディラン・ナンバーに加え、「Yellow Submarine」ではリンゴにソロ・ヴォーカルをとらせるなど、楽しげな雰囲気。また「Yesterday」はグダグダな演奏ながら、ポールの曲を取り上げているのは興味深いところ。そして「Blue Suede Shoes」は2年前のトロントでのロックンロール・リバイバルと同じくカール・パーキンス・ヴァージョン。「Crippled Inside」以降、ソロ・ナンバーがまとまって演奏されていますが、「Yesterday」に続き、今度はポールのソロ「Uncle Albert/Admiral Halsey」を取り上げているのが面白く、しかも、ジョンへの「Happy Birthday」を挟み、しつこく演奏しているのが笑えます。また途中カットが入り、今後はジョージの「My Sweet Road」もプレイ。さらに1974年の音源はジョンが“失われた週末”期にハリー・ニルソンの『Pussy Cats』のプロデュースを行なっていた時期にあたる3月28日 にロスのレコード・プラントで行なわれたジャム・セッション。ジョンはピアノ、ポールがドラム、スティービー・ワンダーがキーボード、ジェシ・エド・デイビスがギター、ボビー・キーズがサックスという布陣で、基本的にヴォーカルはジョン、ポールとハリー・ニルソンも時折ヴォーカルを。そしてポールの声は「Lucille」「Stand By Me」で、はっきりと確認出来、全体で30分足らずながら、楽しげな雰囲気が伝わってくるもの。そしてジャケットは、メイ・パン撮影の74年の同時期のジョンとポールの2ショットで、この時期ジョンとポールに確かに交流があったことが嬉しい素敵な写真。 [CD]: 01. What'd I Say 02. Yellow Submarine 03. On Top Of Old Smokey~Goodnight Irene~ He's Got The Whole World In His Hands~Like A Rolling Stone~Twist And Shout~Louie Louie~La Bamba~Bring It On Home To Me 04. Yesterday 05. Tandoori Chicken~Power To The People~Maybe Baby 06. Peggy Sue 07. My Baby Left Me 08. Blue Suede Shoes 09. Crippled Inside~Give Peace A Chance~Crippled Inside~Uncle Albert/Admiral Halsey~Happy Birthday~Uncle Albert/Admiral Halsey~My Sweet Lord 10. A Toot and a Snore ~Bluesy Jam 11. Lucille 12. Nightmares 13. Stand By Me~Stand By Me ~Stand By Me~Cupid ~Chain Gang~Take This Hammer