最近になって再び登場した1970年5月1日サンタモニカ公演の「1st Gen Reel to Reel」のストレートコピー・ヴァージョン。5年ほど前「Since We Were Teenagers」と言うタイトルで登場したNagra製レコーダーで録音された5インチから、オープンリールにコピーされたもので、それまでの音源には欠落していた「Green Is The Colour」「Careful With That Axe, Eugene」「A Saucerful Of Secrets」を含む、1st gen.音源をマスターとして使用しています。上記「Since We Were Teenagers」をリマスター&補整したヴァージョンを収録したのが「SANTA MONICA 1970」。当然、その4年前の名盤・名音源との比較になりますが、今回のヴァージョンの良さは、そのタイトル通りの「ストレート・コピー」のサウンド。作為的なカット補正は最小限に抑え、テープそのものの音の質感や形状を再現したヴァージョンと言えるでしょう。よって、音の迫力やダイナミズムはやや劣るものの、高域を中心とした金モノの響きの素晴らしさは、明らかに本盤が勝っている言えるでしょう。要はマスターは同じですが「デジタル・リマスター」な音が好きかどうかで本盤とSigma盤のチョイスが分かれます。マスターテープそのものの未作為なサウンドが好まれる現代においては、自然な音の響き・質感が楽しめる本盤こそが、現状のベスト・ヴァージョンと言えるのではないでしょうか(ただし、カットポイント等はそのままなので、ここから、商品としてリリースする場合、どうしても補整・補填が必要になってしまうわけですが…)。Careful With That Axe, Eugeneの2分台での1分以上の欠損は既発Sigma盤ではは1969年12月6日のタルボット公演(AFAN Festival)音源から割りと違和感なく補填されていましたが、本盤はそのままです。ですが、マスターそのものの音の質感は間違いなく、過去最良と言えるものであり、ファンは間違いなく必聴の2015年決定盤ヴァージョンとなっています。1970年サンタモニカ公演と言えば、アメリカでの最初のフロイド海賊盤と言われているアナログブートレッグLP「Omayyad」(TMOQ)に収録された、フロイドファンにとっては思い入れが深いライブコンサート。その大元のテープそのもののサウンドが最良のサウンドと状態で楽しめるファンにとっては外せないタイトルと言えるでしょう。 Live at Civic Auditorium, Santa Monica, CA. USA 1st May 1970 TRULY AMAZING/PERFECT SOUND Disc 1(45:42) 1. Grantchester Meadows/Astronomy Domine 2. Cymbaline 3. Atom Heart Mother Disc 2(78:38) 1. Tuning 2. The Embryo 3. Green Is The Colour 4. Careful With That Axe, Eugene 5. Set The Controls For The Heart Of The Sun 6. Interstellar Overdrive 7. A Saucerful Of Secrets