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Metallica メタリカ/Scotland,UK 1988

金属光沢も眩しい激烈なる超メタル盤が登場です。その正体は「1988年9月24日エディンバラ公演」。“DAMAGED JUSTICE TOUR 1988-1989”の一幕を捉えた極上オーディエンス録音です。本作最大のポイントは、何よりも衝撃的なサウンドとライヴそのもの。その前に、まずはショウのポジションをワールドツアー全体像の中でイメージしてみましょう。 【1988年】《8月25日『…AND JUSTICE FOR ALL』発売》・9月11日-11月5日:欧州(41公演)←★ココ★・11月15日-12月18日:北米#1(23公演)【1989年】・1月11日-4月21日:北米#2(63公演)・5月1日-18日:オセアニア/日本(10公演・5月24日-9月23日:北米#3(79公演)・10月4日-7日:南米(3公演) 【ブートレッグでしかあり得ない金属光沢サウンド】 以上、全219公演。これがツアーの全体像です。本作のエディンバラ公演はツアー冒頭を飾った「欧州レッグ」の10公演目にあたるライヴでした。そのクオリティは、もうもう金属光沢ギラッギラの超メタル・サウンド。何と言いますか、音が光ってる。アタックはギンギンに堅く、芯は荒縄の如く極太で、高音は歪みもせずにレーザービームの如く飛び込み、重低音は五臓を揺るがし、六腑をえぐるド迫力。実のところ「まるでサウンドボード」と呼ぶタイプではないのですが、「それがどうした? 客録って最高だろ?」と音が言ってくる。“オーディエンス・メタルの理想”を一身に体現した異様なる超クリア&超スペクタクル・サウンドなのです。サウンドボードっぽくないのは“鳴り”。ライン録音のような直結サウンドではないのですが、それが欠点どころか(凄まじいまでの)美点になっているから凄い。その空気感はクリスタル・クリアに透き通っており、リフのディテールまで鮮やかなのです。しかも、この空間感覚がリフの硬度まで高めているから凄い。サウンドボードの叩きつけ感も素晴らしいですが、METALLICAのクランチは同時に「ダイナミック」でもある。このダイナミズムが絶品の会場音響で倍加・倍加・倍加! アルバム『…AND JUSTICE FOR ALL』も独特なスケール感のあるサウンドでしたが、本作はあの名盤にユンケルとバイアグラを塗りたくり、重低音とダイナミズムを増強したような強靱サウンドなのです。 【極上サウンドが生む重金属体験】 このサウンドは、単なる「良い音」を超えている。例えば、卓直結サウンドボードなら「脳内にMETALLICAがいる」感覚になりますが、本作は「頭蓋骨が会場になってる」感。重低音に震える“プレイハウス・シアター”の天井や壁が頭蓋骨にシンクロし、床が脳幹に、ステージが前頭葉にある。その空間すべてが頭の中に詳細・克明に描かれるサウンドなのです。そして、その大脳には英国のメタルヘッズもしっかりといる。こいつらがもう、最っっ高! 「最高」ではありません。「最っっ高!」です。新曲「Blackened」から野太い大合唱が大全開。しかも、1人2人の声が特出することなく、超ぶ厚いコーラス隊になっている。まるでピーター・バルテスとウルフ・ホフマンのクローンが1000人規模で集まったACCEPT。そいつらが歌詞の一語まで暗記して叫び、リフやビートを「Hey! hey!!」と押し上げやがる。しかもしかも、それをフルショウ疲れ知らずでノリまくってる……。このシンクロ感はMETALLICAが発散するUKの体臭もあるのでしょう。もちろん、彼らはアメリカノバンドですが、その魂に刻まれているのはイギリスのメタルやパンクだった。それが新たな音楽“スラッシュ・メタル”の隅々から匂い立つからこそ、英国の野郎がこれほどまでに共感している。この「海を渡ってきた俺たちのバンド」感は、オーディエンス録音でしかあり得ない。1988年のイギリスでしかあり得ない。ブートレッグだけの、本作だけの重金属世界なのです。 【実は短かった純メタル時代のMETALLICA】 そのサウンドで描かれるショウは、もはや超合金。METALLICAと言えば、メタルの代名詞バンドではありますが、長いキャリアでサウンドも大きく変えてきました。その中でも「もっとも重金属だったのは?」の問いに答えるのが本作なのです。ハードコアな自棄っぱち感覚も凄まじかったクリフ・バートンが亡くなり、純メタル野郎のジェイソン・ニューステッドが加入。他3人の演奏力も上がったことで整合感を描けるようになり、その整合感をガチガチに究めた『…AND JUSTICE FOR ALL』まで作った。しかも、“DAMAGED JUSTICE TOUR”でも初期なのがポイント。ワールドツアーを進めるごとに「ビッグなグルーヴ」に目覚め、『BLACK ALBUM』の世界へと近づいていくわけですが、本作はツアーが始まったばかりの10公演目。若いバンドだけにエンジンはすぐに暖まり、10公演目にして全開。それでいながら禁断のグルーヴにはまだ目覚めず、純朴なまでに「金属感の追及」に没頭している。コアでもなく、グルーヴでもない純メタル。その刹那を奇跡のサウンドで描ききったライヴアルバム……それが本作なのです。セット分析や初期衝動全開な『…AND JUSTICE FOR ALL』ナンバーなど、普段なら書きまくるポイントの前にすっかり長くなってしまいました。つまり、いつもなら大事な事も構っちゃいられねーって事、普通じゃない1本って事です。奇跡の金属光沢サウンド、英国メタルヘッズの熱狂、金属感を究めたMETALLICA。そのすべてがひとつに結実した超合金のライヴアルバム。オーディエンス録音なる奇特な文化が生み出した、重金属の奇跡。 Live at Playhouse Theatre, Edinburgh, Scotland 24th September 1988 PERFECT SOUND Disc 1 (61:52) 1. The Ecstasy of Gold 2. Blackened 3. For Whom The Bell Tolls 4. Welcome Home (Sanitarium) 5. The Four Horsemen 6. Harvester Of Sorrow 7. Eye Of The Beholder 8. Bass Solo 9. To Live Is To Die 10. Master Of Puppets 11. Whiplash 12. One Disc 2 (58:38) 1. Seek & Destroy 2. ...And Justice For All 3. Creeping Death 4. Fade To Black 5. Guitar Solo incl. Little Wing 6. Battery 7. Prowler/Run To The Hills/Helpless 8. Last Caress 9. Am I Evil ? 10. Damage Inc. 11. Blitzkrieg James Hetfield - Guitar, Vocal Lars Ulrich - Drums Kirk Hammett – Guitar Jason Newsted - Bass

Metallica メタリカ/Scotland,UK 1988

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